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原発と復興を考える 7 再配分後の貧困
JUGEMテーマ:大地震
 

7 原子力問題と復興への提言

 被災による貧困と子どもの問題「再分配後の所得の貧困率」

 

BIGLOBEでも書いた記事が公開されなくなっている。馬鹿馬鹿しいとしか言いようがない。このようなことは以前にもチベット問題や靖国問題や自殺の問題でも経験していたので、複数のサイトでアップする対策をとっています。皆さんも気をつけてください。

ネットでも公共性と倫理の問題は避けがたいことだ、と理解している。だから、私は実名で公開しています。

 

「もっといい社会、もっといい人生」

新しい資本主義社会のかたち

チャールズ・ハンディ著 埴岡健一訳

河出書房新社 1998年11月2日発行

 

これは良い本です。文庫にして、上下巻で販売して欲しい。

135p〜

 ・・・ユングが言ったように、“私”が真に“私”となるためには“私たち”が必要なのだ。だから、最近の調査で、米国人の63%が他人に関心がないと答えているのには、まったく当惑させられる。彼らは大切なものを見失いつつあるのかもしれない。

 真の個人主義が必然的に社会的なものであることは、すでに論じたとおりだ。しかし、「社会的」なるものが何を意味しているのか、あるいは、自分と仲間たるべき一般市民との関係がいかなるものであるべきか、それは明らかではない。これはもう何千年もの間にわたって人々を悩ませてきた問題だ。自分と自分以外の世界との関係が、あらゆる道徳倫理の問題を考えるときに中心にある命題だからだ。この善悪という概念も、他の人々が私たちに影響を与え、また私たちも他の人々に影響を与えるからこそ、必要となる概念なのだ。自分と他の人々との関わりがいかなるものか知ることなしには、どう振る舞ったらいいのかもわからない。アリストテレスや孔子には、これは自明のことだった。私たちがこの世に生まれてくるのは、より広く大きいもの、すなわち家族、共同体、国民といったものの一部としてだ。好むと好まざるとにかかわらず、私たちは、そうしたより広く大きいものに責任がある。それにもまして、自分が自分になるためにも、私たちはそうした存在が必要なのだ。もし、美徳を実践する相手が周囲にいないとしたら、どうして善良さや親切や高潔さが発揮できるだろうか。完全に自己充足的な人間であることは、神様のような存在にしかできない。神ではないのだから、自分自身であるために、私たちは他の人を必要とする。

 

 私たちが考慮すべきは、自分と自分以外の関係における、適正な自己中心性であるのだが、どこまでが「適正な自己中心性」かの判断を示すことが難しい。

 これは、古典的な教養主義で、各自が判断するしかないのだろうか。

139p

 適正な自己中心性は、私たちが自分自身であることを必要とするが、同時に、適正な自己中心性を具える資格のある他の人々を意識することも求める。こうした両面を相立たせることができるのは、私たち自身の潜在的能力が十分に発揮されるのは、ほかの人々とともに生き、働くことを通してだけだと理解したときだ。英国の布教者アウグスチヌスは、すでに六世紀にこう見事に表現していた。「統合が本質であり、自由は本質でなく、あらゆるところに慈悲がある」

 

 この慈悲を理解するのも、教養による想像力を必要とする。教養とは知識だけではない。精神的な修養も必要とするのだが、では、この精神的な修養とは何なのだろう。それは愛情とは何か、を説明するように、経験と想像力でしか説明できないので、過去の人々が残した経験と創造力で自分の経験と想像力を省みて、学ぶしかないのだろう。「反時代的教養主義」とでも呼べばよいのだろうか。

 

 「反時代的教養主義のすすめ」長部日出雄著

新潮社 1999年5月15日発行

13p〜

・・・旧制高校風の教養主義は完全に死滅した。

 そしてそのことが、いま連日のように報じられている官僚のモラルの腐蝕や、あるいはオウム真理教の信者が陥った無残な錯誤と、無関係でないようにおもえてならない。

 たとえば、

 ―――人間が求めているのは、神よりも、むしろ奇蹟である。人間は奇蹟を信じないではいられないので、それがなければ自分で勝手に新しい奇蹟を作り出し、果ては祈祷師の奇蹟や巫女の術まで信ずるようになるのだ。

 という洞察は、今日のオウム真理教の悲劇を、これ以上ないほど正確に予言したものといってよいであろう。

 また、資本主義が勝利をとげたとき、その発展段階の、

 ―――末期に現われる人間にとっては、つぎの言葉が真理となるのではないか。「精神のない専門人、心情のない享楽人、これら何者でもない人たちは、人間性のかつて達したことのない段階にまですでに登りつめた、と自惚れるだろう」

この予言は、バブルに狂奔した経済人と、おなじ陥穽におちた官僚の錯覚を、はっきり見通していたといってよいのではなかろうか。

 

 確かに、オウムの問題をドストエフスキーで語り、バブルの問題をマックス・ヴェーバーで語れる友人は私にはいない。古典的教養は、私が子どもたちから鬱陶しく思われている主因のひとつとなっています。

 長部日出雄は「二十世紀を見抜いた男」マックス・ヴェーバー物語

新潮文庫 平成16年8月1日発行

で、こう言っている。

58p

 ヴェーバーは、西欧において営利を敵視するピューリタニズムの禁欲的な倫理が、どうして営利を追求する近代資本主義の精神にとって、ひとつの有力な促進剤になったのか、という一見不可解な逆説の解明を志して、『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を著したが、近代性にはいまだに程遠いわが国の資本主義を、これまで根底において支えてきたのは、旧武士階級から伝わる封建的な名誉観念にもまして、来世における仏の 救済を信ずるがゆえに、現世において不当な利益を得たり、不正な富を貪ることを潔しとせず、ひたすら勤勉に日日の生業に励みつつ、しかも武士の商法とは無縁のしたたかな合理性をそなえていた庶民の経済倫理、宗教倫理であったに違いないのである。

 宗教と経済の関係を探るのは、いまも決して無意味なことではない。

 

資本主義は倫理的な理性がなければ、暴走して、自ら崩壊へ向かうのだろう。

 反時代的教養主義の「慈悲」「適正な自己中心性」で以下のことを考えてもらいたい。

 

「ルポ 生活保護」本田良一著

 中公新書 2010年8月25日初版

子どもへの「貧困の連鎖」を防止するため、国は有効な対策をとってきたのだろうか。そうではない。それどころか、実は国の政策によって子どもの貧困率が逆に増加している、というおかしな状況がある。

 神奈川県内の児童相談所に勤務する山野良一氏はユニセフが○五年に発表したリポートと、『OECD日本経済白書2007』をもとに次の分析をしている(前掲『子どもの最貧国・日本』)。

 2000年時点で日本の子どもの貧困率は14.3三%。ほぼ七人に一人の割合だ。これは税金や医療保険など社会保険料の負担を差し引き、遂に児童手当や年金など社会保障給付を加えた可処分所得で見たもの、つまり税制や社会保障制度など国による所得再分配が行われた後の数字だ。この所得再分配後の貧困率を再分配前の数字と比べると、国による貧困削減の効果を計ることができる。これを見ると、再分配前の日本の子どもの貧困率は12.9%。つまり、日本は税制や社会保障制度によって子どもの貧困率を遂に1.4ポイント悪化させているのだ。

64p〜

 国立社会保障・人口問題研究所の阿部彩氏も同じような分析をしている(阿部彩『子どもの貧困』岩波新書、2008年)。再分配後の所得の貧困率が高くなっているのは、OECDの主要18カ国の中で日本だけだ。たとえば、出生率が上昇に転じたフランスは再分配前の貧困率は25%近いが、再分配後は6%ヘダウン。イギリスも再分配前の貧困率は25%あるが、再分配後は14%まで下げている。福祉が手厚く、子どもの教育レベルが高いとされる北欧のデンマーク、ノルウェー、スウェーデンも再分配前の貧困率は日本と同じか、やや高いレベルにあるが、再分配後は先進国でも最低の2〜4%になっている。

 日本では子どものいる貧困世帯で税制、保険料など社会保障制度を通した支払いのほうが、給付を上回っている。その結果、貧困家庭はますます生活が苦しくなり、貧困でなかった世帯も貧困に陥ってしまう。日本は政策によって、結果的に貧困をつくりだし、「貧困の連鎖」を促進している、ということもできる。

 

この日本の政策に慈悲という想像力は無い。倫理も無い。教養も感じられない。

posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 大災害 | 10:59 | comments(0) | - | - | - |
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