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原発と復興を考える 5 希望格差
JUGEMテーマ:大地震
 5 原子力問題と復興への提言
 被災による貧困と子どもの問題「希望格差」「貧困文化」

 子どもの貧困の問題が、日本では御座なりにされているのは、日本の政策立案者に現在の貧困の状況を、肌身で知るものがいないからだろう。
 日本には政府による公式な貧困基準(貧困線)が存在しない。貧困基準を設定し、基準以下の人の割合を減らすことが具体的な政策となるでしょうが、公式な統計による貧困率すらも計算されていない国政の「お粗末」さが、多くの専門家に指摘されている。

「二宮尊徳の世直しを思い出しましょうよ。飢饉に苦しむ農村に呼ばれた彼は、その藩のトップにいる人たち、侍がどういう生活をしているのかをまず問うたといいます。農民が餓死しそうになっているのに、自分たちだけうまい飯を食っているのではどうにもならない。まずトップにいる者が、たとえば一週間断食しなさいと。藩主の自己犠牲の姿勢を農民たちが見て、ああ、お殿様は、そこまで考えてくださっているのか、実はわれわれも結構さぼっていた、本当に心を入れかえてやりますと、そう言わせるのが尊徳の常套手段でした。」中谷巌
 「経済学は人間を幸せにできるのか」平凡社で、斉藤貴男との対談の中に出てくる。
 
 今度の大災害では、早晩に災害による貧困が問題になってくる。大きく捉えて、子どもへの支援、現役世代の仕事、高齢者の医療と介護、を整理して考えていかなければいけない。先ずは、子どもの問題から考えていっています。
 貧困に対する想像力の欠如した、政府のお偉方に任せておいては決して多くの人の共感を得る政策は出来てこない。なぜならば、いまだ嘗て、そのような政策があったためしがないからです。私には子どもが5人います。生活の苦しさは身に沁みています。私たちが勉強をして、政府に「ものを申して」いきましょう。

 日本の子どもの貧困率は国際的にも高い。国の無策によるものです。今まで無策であったものが、大災害を機に突然に政策を支える哲学が変わるとも考えられないので、基本政策は変わらないだろう。政策は国民が自分の手で作る。政治家には協力していただく。

特に心配なのは乳幼児の貧困率の増加だと、阿部彩は言っている。

 「子どもの貧困」阿部彩著
 岩波新書 2008年11月20日発行
71p
 特に心配なのは、○〜二歳、つまり乳幼児の貧困率の増加である。二〇〇四年のデータによると、この年齢層の貧困率は約一八%であった。乳幼児の貧困が悪化しているということは、それよりも年齢が上の子どもの貧困が悪化していること以上に懸念される。なぜなら、第1章で紹介したようなアメリカなどにおける子どもの貧困研究によると、0歳から二歳時点での貧困が、子どもの健康やIQなどのその時点での成長に対する影響が一番大きく、また、子どもが成人してからの学歴達成度などをみても、この時期の貧困がほかの子ども期の貧困よりも大きく影響しているからである
 
 そして「格差」の問題も興味深い。
150p〜 意識の格差
・・・OECDの「学力到達度調査(PISA調査)」によるデータが示したように、すでに、一五歳、つまり、中学校の終了前の段階の子どもたちの間には、社会経済階層による大きな学力格差が存在する。その格差の根底にある要因は何であろうか。
 すでに第1章にて述べたように、研究者の間では、子どもの成長に影響する「経路」はいくつも存在すると考えられている。学力達成を考えた場合、「経路」には塾や家庭教師などの教育投資を行うことができないという「経済的要因」、家庭において親が子どもの勉強をみたり、ゆとりをもって子育てができないという「ストレス要因」、家庭内に落ち着いて勉強ができる場所がなかったり、居住地域に図書館や公園などの社会資源がないという「環境要因」、などが思い浮かぶ。
 これら数々の経路の中で、「モデル論」(親自身の出世や学歴達成に対する価値観が子どもに継承される)や「文化論」(親がもつ「文化」が子どもに継承される)が彷彿される「意識の上の格差」は、日本においても、多くの研究者の関心の的であり、優れた研究成果が報告されている。なかでも、苅谷則彦東京大学教授の『階層化日本と教育危機』(有信堂高文社、2001年)や山田昌弘東京学芸大学教授の『希望格差社会』(筑摩書房、2004年)は、「努力」「意欲」「希望」といった意識の格差が拡大していることを指摘し、大きな反響を呼んだ。

ここでは、深く考えさせられるグラフが掲載されている。
本書を買って御覧になってみてください。
151p〜
努力の格差
 苅谷による意欲的な分析結果は、筆者を含め、多くの人にとって衝撃的であった。苅谷は、一九七九年と九七年に行われた高校生を対象とする調査をもちいて、子どもの勉強に対する意識の変化を社会階層別に分析している。まず、第一に分析されたのが「努力」である。子どもの社会階層によって、「努力」の度合いに差があるのか。その問いに答えるために、苅谷は高校生が学校から帰宅後にどれだけ勉強しているかに着目する。
 図・・・は、父親の職業、学歴、母親の学歴別の子どもの学校外の学習時間の平均値である。ここから読み取れる結果は以下の三点に集約される。第一に、一九七九年から一九九七年にかけて農業を除くすべての階層の子どもも学習時間が減少している。第二に、学習時間は、社会階層が高いほど、長い。第三に、階層による学習時間の格差は拡大している。
意欲の格差
 それでは、何かこの「努力」の差をもたらしているのであろうか。苅谷は、この問題にも追っている。その答えのーつとして出されたのが「意欲の格差(インセンティブ・ディバイド)」である。「意欲」を示す指標として、苅谷が用いたのは、前掲の調査において「落第しない程度の成績をとっていればいいと思う」という設問に同意する生徒の割合である。この、勉強に対する自由放任的な態度は、「よい成績をとろう」という積極的な意欲の裏返しとみることができる。
156p〜 
希望格差
「メリトクラシー(業績主義)」は、メリット(業績)とは本人の「能力」と「努力」から構成され、業績が優れているものが競争社会において勝ち進んでいく、という考えである。「能力があって」「がんばった人」が報われる、という社会のあり方に異論を唱える人はいないであろう。これこそが、「機会の平等」の根幹の理論である。
 業績主義の前提には、もちろん「公平な競争」がなければならないのであるが、もう一つの大前提は、「能力」や「努力」が本人の自由意志や無作為の確率だけに左右されることである。言葉を換えれば、「だれでも頭がよく生まれる確率があり」「だれでもがんばれば」それなりの学力を得ることができるという仮定が存在する。そして、「能力」や「努力」が、その子どもがどのような家庭で育ってきたのかという、本人にはどうしようも変え難い「属性」に影響されないという認識である(苅谷2001)。
 しかしながら、苅谷の分析は、「努力」でさえも、社会階層の影響を受けており、すでに、高校生の段階にして、下位の社会階層の子どもたちは「だれでもがんばれば……」から、「がんばってもしかたがない」という思考になっていることを示している。しかも、その格差が拡大しているということは、社会全体の経済格差の拡大と無関係ではない。
 なぜ、子どもたちは勉強する意欲を失い、「努力」しなくなったのか。
158p〜
 意欲の背後には、「希望」がある。「(私だって)がんばれば……」という希望があるからこそ意欲が沸き、努力するのである。「パラサイト・シングル」「格差社会」などの流行語を生み出した家族社会学者の山田昌弘中央大学教授は「希望格差」という言葉を使って、一九九八年以降、「希望」が一一極化してきたと指摘して大きな反響を呼んだ(山田2004)。山田は「希望」を「苦労に耐える力」とし、この力が衰退している中で若者が実現不可能な夢をみていることがフリーターやパラサイト・シングルを生み出しているという(同右)。
160p
・・・しかし、「低学歴」を「意欲」「努力」「希望」の低下によるものと結論づけてしまうと、「教育の未達成には経済的要因がある」という根本的な問題が軽視されてしまう可能性がある。「低学歴」が「貧困」に関連しているとしても、それは、経済的な要因によるものではなく、「貧困文化(=意欲がなく、努力しなく、希望をもたない文化)」がはびこってきているからだ、さらにいえば、これは「意識の問題」なので、政策課題ではない、と解釈されかねない。

 日本の教育の制度設計は「子どもの貧困」に対処できなくなっている・・・のか?
本書の「義務教育再考」の「基礎学力を買う時代」、
「最低限保障されるべき教育」の「就学前の貧困対策」、
は政策議論として必要。次回は貧困率の逆転現象。
posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 大災害 | 11:17 | comments(0) | - | - | - |
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