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在宅ホスピス奮戦記の終わり
JUGEMテーマ:病気
 在宅ホスピス奮戦記の終わり

昨夜の21時2分に父が亡くなりました。穏やかな死でした。息が乱れ始めてから、1時間弱で静かに息を引き取りました。家族や、医師や、看護師さんに看取られて、孫の「おじいちゃんありがとう」という泣き声の中で旅立って行きました。

幸せな死があるのなら、これ以上に幸せな死はないのではないかと思えます。それは花がちるような、とても優雅な死でした。被災地の方々の死を思えば、人生は平等ではないことも思いました。

昨年の12月25日に病院から家に連れて帰ってきてから、100日ほどが過ぎました。「ガン患者は家へ帰ろう」という地元の医師の本があり、その本を読んでいたこともあり、本当に家で看取ることはできるのか、と半信半疑で在宅ホスピスに挑戦することになりました。だめなら、また病院へつれて帰ればいい、病院もそれを受け入れてくださるというお話でした。介護難民として家に帰ってきたわけではありません。

やはり、母は大変でした。根が頑張り屋さんなので、目いっぱいのことをしようとして、日ごとに疲れは目に見えるようになっていきました。母は何度も「もう無理かも知れない」と弱音を吐くこともありましたが、振り返ってみると、結果的には気丈な母であったと再認識することとなりました。母は昨年に階段から落ちて腰の骨を圧迫骨折していたので、腰痛の中での介護でした。しかし、三世代同居の励ましあいがあったことも幸いして、乗り切ることができたように思います。

余命半年、しかし何時容態が急変するかも知れないという状況で、緊張感のある介護でしたが、無事に乗り切ることができました。介護力があるから介護が出来るわけではなく、やはり愛情がないとできないことを実感しました。母の毎日の本当に献身的な介護のおかげで、父はとても幸せな在宅生活を過ごすことができたことを、父も喜んでいると思います。

父はC型肝炎から、肝臓がんになりました。初めての手術から3年と4ヶ月が過ぎます。3度の手術後の、昨年の検査の後で、もう手術は無理ですと言われたとき、そして、今年の1月半ばの検査の後で、積極的な治療は無理だ、と医師に言われたときには、父は静かに泣いていました。

一昨日の朝に2回呼吸が止まってからは一日中、濡れたような涙が光っていました。10日前には、死にたくはないと漏らしてもいました。父に死が見えて、父に死が擦り寄ってきて、父が死を覚悟して、どのような葛藤があったのかを思うと、私も泣けてきます。

父は旅行が好きで、最後の最後まで旅行に行きたがっていました。「ちいさいのをつれて、新幹線でちょっとどこかへ行こうか。」といっていたのは、ほんの半月前のことです。
父はよく仕事をしよく遊び、よき時代に、溌剌と生きてきました。良い人生だったのはよき人に恵まれてのことです。
父を知る方々に感謝を申し上げます。

今、一番にねぎらってやりたいのは母です。父もそのことはよく分かっていると思います。母へ父からの言葉が聞こえてきます。「ばあさんありがとう」「かあさんありがとう」。終わりに、母はこれ以上はない愛を父に注いできた介護であったことをご報告申し上げておきたいと思います。

父の死に 春爛漫の 風が舞い
ありがとうございました。

・・・・・

これから、団塊の世代が高齢化を迎えます。夫婦のパートナーシップが如何に大切なことかを、次に紹介する本の記述から考えてみてください。
亭主族、必読の書です。

「子どもが育つ条件」柏木惠子著
岩波新書 2008年7月18日発行
126p〜
現在、離婚が増加している中高年は、子を育て上げ、そろそろ夫婦二人でゆっくりという時期です。以前は子育て終了後の夫婦二人の生活は、それほど長いものではありませんでした。
それが、長命となり著しく延長しました。配偶者の介護もその間生じます。最近、進んできている高齢期夫婦の研究によりますと、七〇歳以上で現在、健康な男性の七四%は、自分が寝たきりになったときの介護は妻を当てにしており、一方、夫を当てにする妻の方は三〇%にすぎません(直井道子『幸福に老いるために』勁草書房、2001年)。しかし結婚以来の夫婦関係がよほどよくなければ、高齢期の配偶者介護は危ういでしょう。
 高齢期カップルの夫婦関係の質と幸福感との関係を検討した最近の研究によりますと、夫と妻が相互に愛情をもって尊敬し合い、結婚に満足している調和的な夫婦は四〇%で、残りの過半数は表面的に仲の良さを取り繕っていたり、片方が妥協したり我慢したりしている夫婦だということです(宇都宮博『高齢期の夫婦関係に関する発達心理学研究』風間書房、二〇〇四年)。このような夫婦では、配偶者の介護が大変難しいことは容易に予想されます。次に掲げる、六五歳の女性による投書「止められない暴力」は極端なケースにみえますが、長年の夫婦の関係が介護という危機的状況には悲劇となる事情を伝えています。
「また夫に暴力を振るってしまった。もうやめようと固い決意をしたのに。
 夫は七五歳で、まだらボケがある。いくつも病気を抱えて週三回の通院に付きそう。トイレと食事は自分でできるのでありかたいと思う。一人で外出するが、時間の感覚がないので、遅くなると探しに行く。このぐらいは苦にならない。
 が、私が腹を立てるのは、夫が若い頃から身勝手で、妻などは自分や家族のために働く道具ぐらいに思い、田舎者の私だけでなく、私の実家の悪口を毎日の酒のさかなにしたことだ。若かった私は何の反論も出来ず、どれほど悔しい悲しい涙を流したことか。全部子どもたちのためと耐えた。
 それを見かねた神様が、私の味方をし、今では立場が逆転してしまった。それでも夫の性格は直らず、今でも私をバカにしたりする。私が暴力をふるってしまうのはそんな時だ。あの頃と同じ憎らしい夫の顔、あの時もこんな顔だったとつい手が出てしまうのだ。
今、高齢者への虐待が問題になっている。もちろん虐待はよくないが、高齢者のなかには妻や夫、息子の妻などへの来し方に原因がある場合もあるのではないかと思う。自分のことを大事にしてくれた人なら、老いて手間のかかるからといって暴力など出来るものではないのではないだろうか」       (『朝日新聞』2003年11月20日付)
このように、夫婦二人でゆっくり「おだやかな老後」というイメージはもち難くなりました。結婚の理想とされる「添い遂げる」「死が二人を分かつまで」となるには、老後は長過ぎるものとなったのです。

「老後は長過ぎるものとなった」のですね。
以下のようなことに心当たりのある人は気をつけてください。
139p
衡平性は家族でも重要
 「白分か家族を食わせている」「誰のおかけで食っていると思うのか」などと妻や子に対して威圧する話を、現在でも耳にします。そうした言葉は性の強要や身体的暴力に匹敵する心理的暴力であることから、DV(ドメスティック・バイオレンス)の範疇にも入れられています。ここには、「妻子のために働く」のは男のつとめという男性ジェンダーヘの囚われ、「食わせてやっている」のは男の甲斐性であり誇りだとの心理もうかがえます。社会では経済力は往々にして権力と結びつきますが、こうした夫の態度にも、一般社会と同様な関係が夫と妻の間でも起こりやすいことを示唆しています。」
144p〜
いま団塊世代が大量に退職する時期を迎え、その動向が話題ともなっています。地域のボランティア活動などをはじめる。“地域デビュー”や趣味の活動など、退職者の活動も様々に伝えられています。もちろん、そうした活動も大切ですが、もっと重要な課題は、長らく家庭不在だった夫の家庭役割の分担、子の誕生以来切れてしまった妻とのパートナーシップの再構築です。この課題は、長命に伴って夫婦の前に新しく浮上してきた、家族発達上の緊急の課題です。

 在宅ホスピス奮戦記はこれで終わりますが、
 別の機会に、医療と介護の1000冊を読む、を用意しています。

この際だからこそ、原子力の問題を徹底的に考えよう、は
原子力問題と復興への提言と改めてスタートします。
今後ともお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます。
posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 医療と介護 | 16:26 | comments(0) | - | - | - |
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