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円安誘導ショック
 

経済書(新書を中心に)100冊を読む 4−2

金融緩和の罠 萱野稔人 インタビュー・編 

藻谷浩介 河野龍太郎 小野善康  集英社新書 2013422日第2

日本をどうする?国民が学ばなければ、政治は動かない。 78

 

 日本の家電業界の苦戦が続いている。連日のニュースに家電業界の記事が出ている。シャープの再建は今後の日本の家電業界を占うことになるとの論評が気になります。

 

<シャープ中期計画>見通しなき再建策

毎日新聞 515()732分配信

シャープは14日発表した中期経営計画で、主力の液晶事業の立て直しを経営再建の最大の課題に掲げた。安定顧客との関係強化を進めると同時に、新規の大口顧客の獲得にも努め、液晶工場の稼働率を向上させたい考え。最新液晶パネル「IGZO(イグゾー)」の販売拡大でも収益の底上げを図る方針。ただ新規顧客の獲得などは簡単ではなく、思惑通りに再建が進むかは見通せない。【横山三加子】

 

 海外では、日本の家電業界の凋落をどう見ているのか?

 中国の人民網はこう報じている。

要点

・世界の格付け機関はパナソニックとシャープの信用格付けを「ジャンク級」に引き下げた。経済日報が伝えた。

・日本の家電・電子製品の販売は2005年より年を追うごとに疲弊。

・新製品開発に巨額を投じたが、韓国のサムスンやLGに追い抜かれた。

・日本では近頃、家電衰退の原因を深く反省する動きが広まっている。

・根本的な原因は日本企業の経営戦略の失敗にあるとしている。

・韓国籍の経営専門家の金美徳氏は、日韓企業の経営の特徴を分析し、問題点を指摘した。

・日本企業は技術イノベーションに依存しすぎ、市場マーケティングを軽視している。

・海外人材戦略の失敗。

・日本政府の自由貿易戦略(FTA)の失敗。

・毎年の赤字に直面しながらも、日本企業は再起を図っておらず、逆に家電生産から全面撤退する戦略調整を選択している。

・過度な投資により、回収難と巨額の負債に陥っている。

 

 大名企業は豊富な資金の供給力と技術力があるがゆえに、その上に安住し、過信により世界戦略を誤った。電子立国日本と韓国企業はウサギと亀の童話のようだ。

 以下記事前文

日本家電企業が赤字を続ける原因とは?―中国メディア

Record China 56()1812分配信

201353日、日本家電業界は輝かしい歴史を持ち、かつて数多くの世界一を創出した。パナソニック、ソニー、シャープ、日立は、人々のよく知るブランドになった。しかしながら、かつて一世を風靡した「家電王国」は今や深刻な苦境に立たされており、家電企業全体が赤字に陥っている。パナソニックの2012年会計年度の赤字額は7650億円に達し、シャープの昨年半年間の赤字額は3875億円の新記録を更新し、ソニーテレビ事業の半年間の赤字額も155億円に達した。日本3大家電メーカーは2012年通年で約17000億円の赤字を計上した。世界の格付け機関はパナソニックとシャープの信用格付けを「ジャンク級」に引き下げた。経済日報が伝えた。

日本家電メーカーの衰退は今に始まったことではない。日本の家電・電子製品の販売は2005年より年を追うごとに疲弊し、原動力不足の傾向を露呈した。テレビは家電・電子製品の代表格だ。パナソニック、ソニー、シャープは新製品開発に巨額を投じたが、韓国のサムスンやLGに追い抜かれた。韓国2大企業は2012年、世界テレビ市場で34%のシェアを占めたが、日本6大企業のシェアはわずか31%のみとなった。販売ランキングのうち、サムスンが1位、LG2位となり、パナソニックが3位に甘んじ、ソニー、シャープ、東芝はさらに低い順位につけた。競争が日増しに激化する電子通信市場において、日本企業はアップルやサムスンに遠く及ばず、市場シェアが毎年低下している。日本の家電・電子製品の年間輸出額は2007年の時点で17兆円であったが、2012年には11兆円に減少した。昨年末時点で、パナソニックの家電事業は3年連続の赤字となり、ソニーは7年連続とさらに深刻だ。日本家電・電子業界は日本の業界関係者から「長期低迷する落ち日の産業」と称されているほどだ。

 日本では近頃、家電衰退の原因を深く反省する動きが広まっている。ある人はアジア企業の台頭に責任を押し付けているが、それより多くの専門家は自らを反省し、根本的な原因は日本企業の経営戦略の失敗にあるとしている。韓国籍の経営専門家の金美徳氏は、日韓企業の経営の特徴を分析し、問題点を指摘した。まず、日本企業は技術イノベーションに依存しすぎ、市場マーケティングを軽視している。金氏は、「日本企業は最も先進的な家電製造技術と高いイノベーション力を持つ。ソニーの科学研究投資と技術力はいずれも世界一流レベルだ。しかし日本企業は良い製品を作れば売れるはずという固定観念に縛られており、市場の動向および消費需要に対する分析が不足している。これとは対照的に、韓国企業は経営の重点を市場マーケティングに置き、異なる消費者に異なる製品を提供することで、異なる消費需要を満たしている。韓国企業は、最高の商品ではないが消費者に最も適した製品という観念を貫いており、すぐに市場を占めることができた」と指摘した。

次に、海外人材戦略の失敗だ。長期的な円高進行に伴い、日本企業は生産を海外に移転せざるを得なくなった。そのため現地人材の登用、彼らを通じて市場を理解し、現地に適した製品を生産することが、企業の海外進出戦略の成功の鍵となった。日本企業は伝統的な観念に縛られ、本国の社員を信頼し、役員および重要なポストで日本人社員を採用した。そのため現地職員は向上心と、より高いポストを勝ち取ろうという積極性をそがれた。

それから、日本政府の自由貿易戦略(FTA)の失敗だ。日本政府は企業が国際競争を展開するための理想的な条件を整えてやらず、日本製品の孤立を招いた。韓国はすでに45カ国とFTAを取りまとめている。日本政府は国内農産物市場を過度に保護し、建築・サービス産業の開放により本国企業の経営・発展が損なわれることを懸念しており、FTA問題で消極的になり、進展が緩慢になっている。調査によると、主要輸入国の対韓国家電・電子製品の関税率は5%のみだが、対日本製品の関税率は13%に達している。韓国製品の優位はここからも明らかだ。

 毎年の赤字に直面しながらも、日本企業は再起を図っておらず、逆に家電生産から全面撤退する戦略調整を選択している。日立、三菱、東芝はこのほど、家電生産をほぼ放棄した。パナソニックは家電部門の大幅縮小を決定し、投資の重点を自動車・航空機用の電子機器に置く。ソニーはテレビの生産・投資を全面的に削減しており、今後は利益率の高い医療機械の開発に注力する。シャープの結末は最も悲惨だ。シャープはこれまでの過度な投資により、回収難と巨額の負債に陥っており、買収されるか破産するかの苦境に立たされるだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/YF・編集/TF

・・・・・

 

しかし、日本の家電企業は不死鳥のように必ずよみがえる。私はそう確信している。円安を背景に海外市場を必ず取り戻す。円高で価格競争が出来なかった企業はイノベーションと巨大投資で勝負に出たが、韓国企業のゲリラ戦に敗れただけだ。しかし、・・・それが裏目に出たのだった。

 

 2004年から2007年夏までの円相場を見てみよう。2004年から円安傾向にあり、2007年7月には1ドル=124円を記録している。ゼロ金利政策が拍車をかけている。円が安くなったことから外需のバブルが中規模ながら発生し景気が回復していたはずなのだが、日本の家電・電子製品の販売は2005年より年を追うごとに疲弊してきたのだった。

 

(金融緩和の罠)第2章で河野龍太郎は興味深いことを言っている。

・・・・・

金融緩和のもたらした通貨安が製造業をダメにした

119p〜

・・・日本の電機メーカーがいま苦境におちいっている原因を分析してみると、それは極端な金融政策が導いた過度の円安によって設備投資の判断を企業が誤ってしまったからだ、という仮説が浮かび上がってくるんですね。

 そもそも、日本の製造業は新興国の追い上げを受けていて、一方で国内の労働力人口は減っているわけだから、シンプルに考えれば日本の割高な賃金では採算のとれないような製品は海外に生産拠点を移さないといけないわけですね。

 経営学の言葉で、「スマイルカーブ」というのがあります。商品の企画、製造、販売という流れ、つまりバリューチェーンを考えたとき、それぞれの段階での収益性をあらわしたものです。その流れの真ん中にある工場の部分、生産工程の部分というのは収益性がもっとも低い。一方、収益性が高いのは、はじめの企画立案であるとか開発、あるいは商品を売ったあとのアフターサービスです。だから収益性のグラフを描くと両端の上がったスマイルカーブになるんですね。

 日本の電機メーカーは、このカーブの真ん中にあたる収益性の低い生産工程の増強を、もはや国内でやってはいけなかった。しかしやってしまったんです。それはなぜか。その原因は2000年代半ばまでの超金融緩和の長期化・固定化がもたらした円安です。

 

小泉政権下の円安誘導が家電メーカーショックの遠因

 

―――それってこういうことでしょうか。経済の実態以上に円安が進み、国内の生産拠点の競争力が上がってしまった。それで経営判断を誤って、収益率が低くて本来は海外に移転しなければならない生産設備を、国内にたくさんつくってしまったと。

 

122p

河野 ・・・実質実効為替レートでみればそれに匹敵する超円安状況が2005年から2007年に訪れていたんです。つまり、そのころは、日本の実力からはかけ離れた円安水準になっていたのです。

 

―――その円安水準のうまみが忘れられないから「円安じゃないと日本企業は生き残れない」という騒ぎがおこるんですね。

河野 そうなんですよ。当時の円安は、本来、持続可能ではない円安だったのです。

そんな水準の円安がなぜ他国から容認されたのかというと、ちょうどこの時期は、リーマン・ショック前の世界的なバブル期でした。とくに資産バブルに沸いていた欧米各国では消費が旺盛で、日本からの輸入を積極的に受け入れた。だから、あの極端な円安が容認されたのです。

―――つまり日本経済は輸出バブルに踊っていたわけですね。

河野 しかも超円安のせいで、かならずしも高い付加価値につながらないような製品の組み立てまで日本国内でおこなっても、まだまだ有利だと勘違いしてしまった。

 そして、これはバブルの常ですが、この状況が永続すると思い込んだ。その過程で日本企業は、国内の高い賃金水準のもとでは本来採算のあわない生産工程にまで設備投資をしてしまったんですね。

―――その後遺症が、たとえばいまの電機セクターの過剰ストックだということですか。

・・・・・

 

「過度の円安によって設備投資の判断を企業が誤ってしまった」という経緯の指摘には、なるほどという不意をつかれた驚きがあった。企業はこの反省に立つと、金融緩和での資金は金融と海外への投資に向かうことになるので、金融政策は限定的で一時的なものに終わるということになるのかも知れない。国内での物づくりが苦戦することにも変わりは無いようだし、賃金に反映されることも一部の人になりそうだ。

 

河野は財政・金融政策の本質を「財政政策は所得の前借であり、金融政策は需要の前倒しである」と簡潔に表現している。

 

その河野は今、考えたいことは「需要としての設備投資」だといっている。

これは読んでおきたい。

posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 日本の政治を考える | 07:20 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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