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「2020年、日本が破綻する日」
 

『・・・財政は破綻する確率が高いのである。すなわち、私達に残された時間はそう長くはない。

 仮に財政破綻が起これば、長期金利は急上昇しインフレーションとなる。すると、政府のみでなく、借入金を抱える企業や住宅ローンを抱える家計も資金繰りが困難になる。

 最悪ケースでは、次々と企業が倒産し失業が増加。株価は暴落し、年金の実質価値はゼロとなり、家計も破綻。政府は税収が不足し、社会資本の維持もできない。政府は異常事態に対応するため、中央銀行に直接国債を引き受けてもらう。

 また、裕福な家計や企業は自己防衛のため多くの資産を海外に逃避させるだろう。その結果、為替レートは暴落し、石油や食料品などの輸入物価も急上昇していく。すると、インフレーションや金利上昇は加速・・・。最終的に、円、日本株、国債のトリプル暴落に至り、日本経済は崩壊というシナリオも想定される。』

 

この文章は『2020年、日本が破綻する日 危機脱却の再生プラン』

小黒一正著 日経プレミアシリーズ 20108月 一刷

の はじめにの一節です。

 

著者は、財務省財務総合政策研究所主任研究官、(財)世界平和研究所主任研究官などを経て、20108月より一橋大学経済研究所世代間問題研究機構准教授。経済産業研究所コンサルティングフェロー。専門は公共経済学。

 

著者は日本経済の崩壊の危機を2020年と言っている。

 

『政府が抱える巨額の債務は、主に家計が支えている。貯金や年金・保険という形で集まった家計マネーの多くが金融機関を通じて、国債に流れ込んできた。このように、今や約1400兆円にまで膨張し家計貯蓄をベースに、これまで、国債は安定消化が図られてきた。だが、これから急速に高齢化が進展し、団塊世代が老後の生活費として貯蓄の取り崩しを本格化させる中、これまでのように家計マネーが国債を安定的に吸収できるとは限らない。むしろ、政府の借金が2020年までにその原資である家計貯蓄を食い潰してしまう・・・』

 

『一般政府債務は、毎年3%弱のスピードで増加していき、2022には100%を超過する。すなわち、政府の借金が完全に家計貯蓄を食い潰してしまうのである。』

 

『政府は国内から借金ができなくなる』

『国内金利が急騰するシナリオが濃厚となる』

 

『国債の増加が、民間部門の生産活動に必要となる資本を圧迫し、金利の上昇をもたらす現象を「クラウディング・アウト」というが、政府の借金が家計貯蓄を食い潰すまでの過程において、それが急速に加速するのである。』

 

『・・・今のままでは、2020年までに突然、金利が急上昇する「相転移」が起こる可能性がある。

 なお、金利が急上昇すると、国債価格が大幅に下落するから、金融機関は国債という大量の不良債権を抱える可能性があり、最悪のケースでは、自己資本が欠損・減少し、金融危機が再燃しかねない。また、そのような状況ではもはや増税もできないことから、政府も借金の支払いが困難となり、その時点で財政破綻となる・・・』

 

『金利が成長率を上回る可能性がある限り、財政破綻のリスクは存在する。』

『アメリカやイギリスなどの先進国諸国と比べて、日本財政の破綻確率は突出している。』

 

第一章を読んだだけでも、今の日本の危機的な状況が分かってもらえるだろう。

 

2章を読み進めると『暗黙の債務』という言葉が出てくる。

『社会保障が抱える「暗黙の債務」は年金の債務のみではない。今の公的年金は、老齢世代が必要な年金を現役世代が支える「賦課方式」という仕組みを採用しているが、医療や介護も老齢期に支出が集中し、その支出を現役世代が支える仕組みになっており、実体としては賦課方式と同じだ。だから、今の医療や介護も、年金と概ね同じ構造となっており、暗黙の債務を抱えているのだ。』この暗黙の債務も含めると、約2100兆円にも達する・・・』

 

3章では『リブソン・リスク』のことも紹介されている。

4章では『バローの中立命題』が成立しないことも述べられている。

 

『暗黙の債務』『リブソン・リスク』『バローの中立命題』や『ジニ係数』『世代会計』という言葉も本書を読んで勉強してもらいたい。

 

5章、第6章では解決策が提案されている。

おわりに『世代間格差の是正と財政の持続可能性を確保する観点から、財政・社会保障の再生に向けた解決策(政策手段)を、できるだけ分かりやすいように記述したつもりである。キー・ワードは「事前積立」「社会保障予算のハード化」「管理競争」「マクロ予算フレーム」「世代会計」といった政策手段であり、それらを調整する「世代間公平委員会」という政治から独立した組織と、その枠組みを定める「世代間公平基本法」という法律である。これらの政策手段が整えば、世代間格差の是正と財政の持続可能性の両立は必ず達成できるはずだ。』

 

とにかく、この本を読んで、日本の近い将来の危機について考えてもらいたい。

 

日本は財政赤字を積み重ね、崩壊の道を直走っている。団塊の世代が大量退職し、産業労働人口は激減し、景気はもっと悪くなる。このままでは、税収は落ち込み、福祉行政は支えられない。

2020年から2030年にかけて高齢者人口が45%も増える。高齢者は複数の病気を罹患するので、医療と介護の需要は現在の倍以上になり、更に2020年から団塊の世代が癌適齢期を迎えるのだが、医師もいなければ、施設もなく、予算もない。

高齢者の貯蓄は医療と介護が必要となった時に切り崩される。国債は2020年から毎年10年間、少なく見積もっても35兆円から40兆円がそのために売られることになる。現在の国の総予算207兆円の79兆円が国債費で、これにその35兆円から40兆円を足すと総予算の半分以上になる。社会保障費が1,5倍から2倍程度になるので、現在の70兆円から100兆円を超える。国債費と社会保障費だけで2009年度の一般会計と特別会計の純計207兆円を遥かに突破するのだが、国民や行政にその危機感がないところが危険だ。

 

日本は今、必ず負ける戦争に突入しようとしている。そんな気がしているのだが、この状況はどこかで読んだことがある。猪瀬直樹の『昭和16年夏の敗戦』を思い出した。

 

あらすじは『空気と戦争』猪瀬直樹著 文春新書

88p〜石破茂氏の発言によく纏められている。

『昭和16年夏の敗戦』

 200729日の衆議院予算委員会で、石破茂元防衛庁長官が僕の本を引用して、つぎのような発言をしたという。人づてに聞いてビックリし、議事録をとりよせてその発言を確かめてみた。

 

「猪瀬直樹さんが書いた『日本人はなぜ戦争をしたか 昭和16年夏の敗戦』という本をぜひ多くの方に読んでくださいということを私はいつも申し上げている。なぜ昭和二十年夏の敗戦ではなくて昭和16年夏の敗戦なのかということであります。

 昭和十六年四月一日に、今のキャピトル東急ホテルのあたり、首相官邸の近く、当時の近衛内閣でありますが、総力戦研究所という研究所をつくりました。ありとあらゆる官庁の三十代の俊才、軍人、マスコミ、学者、三十六名が集められて、もし日米戦わばどのような結果になるか、自由に研究せよというテーマが与えられた。

 八月に結論が出た。緒戦は勝つであろう。しかしながら、やがて、国力、物量の差が明らかになって、最終的にはソビエトの参戦という形でこの戦争は必ず負ける、よって日米は決して戦ってはならないという結論が出て、八月二十七日に、当時の近衛内閣、閣僚の前でその結果が発表されるのであります。

 それを聞いた東條陸軍大臣は何と言ったか。まさしく机上の空論である、日露戦争も最初から勝てると思ってやったわけではない、三国干渉があってやむを得ず立ち上がったのである、戦というのは意外なことが起こってそれで勝敗が決するのであって諸君はそのようなことを考慮していない、この研究の成果は決して口外しないようにと言って終わるわけですね。

 なぜあの戦争は負けたか。要は、輸送というものを徹底的に軽視したからですよ。つまり、陸軍では、『輜重兵が兵ならば、電信柱に花が咲く、輜重兵が兵ならば、チョウチョウ、トンボも鳥のうち』と言われて、南方を幾ら占領しても、輸送する船が要る。しかしながら、それに護衛がつかない。なぜならば、帝国海軍は、日本海大海戦もこれあり、艦隊決戦ということを重視したのであって、商船を護衛するようなのは、それは腐れ士官の捨てどころだ、このように言われた。

 しかしながら、戦争を始めるに当たって損耗率というのを計算しなきゃいけない。つまり、南方から本土に向かう船のどれだけが沈められるかというデータがなければ開戦に踏み切れない。そんなデータはどこにもなかった。帝国海軍にもなかった。どこかないか、とにかく出せということで、ようやっと引き出してきたのが、第一次世界大戦でドイツの潜水艦にイギリスの商船が沈められた、その損耗率の10%、よしよし、これだということでこの数字を入れた。それならばやれるなということであの戦争になってしまった。しかし、その数字がでたらめであって、結果として、この国はああなってしまうわけですね。

 なぜあの戦争になったのか。それは、政治をつかさどる者が、おのれも知らず、そしてまた相手の国力も知らずそんなことできないじゃないかと言ったらば、きさまは大和魂をどこに置いた、それでも日本人か、こう言われてしまって、前線に飛ばされるか、首になるか、それだったらば、山本七平さんに『「空気」の研究』というのがあるけれども、やっちゃえ、やっちゃえということで、とうとうあんなことになってしまったということだと私は思っています」(*「輜重」とは、軍隊に付属する糧食・被

服・武器・弾薬などの軍需品の総称。「輜重兵」はその輸送に任ずる兵士)

 

朝日新聞(2007年三月十四日夕刊)によると、僕が『日本人はなぜ戦争をしたか 昭和16年夏の敗戦』で書いた総力戦研究所の話を、石破氏はよく引用して、国を誤る政治家の無能無責任を憂えているそうだ。 

                    

『昭和16年夏の敗戦』は世界文化社から同名のタイトルで出版されたのは1983年。その後、文春文庫版が86年に出て、その後小学館から『日本の近代 猪瀬直樹著作集(全十二巻)』第八巻に入り、2010625日初版が中央公論新書で出されている。

ものすごく面白いので、是非に読んでもらいたい。

 

『昭和16年夏の敗戦』第2章 イカロス達の夏では

戦争に至った旧憲法の欠陥が描かれている。

『「大日本帝国憲法」では統帥権は天皇の大権に属する。“神聖にして侵すべからず”だから政府は関与できない。しかし事実上その大権を行使したのは天皇自身ではなく統帥部であった。統帥部は政府と別個に(勝手にといってもよい)作戦を発動できた。いわゆる軍部の独走とは旧憲法の、欠陥により生じたものだ。

 明治藩閥政権時代にはこの“欠陥”が露呈しなかった。山県有朋に代表される元勲らの権威が、制度的欠陥を人為的にカバーしていたからである。

 東條内閣のスタートを「朝日新聞」は「統帥、国務、高度に融合」と報じた。軍人宰相なら、「統帥(大本営)」と「国務(政府)」の双方にニラミがきく、とみたのだった。しかし、東條はただの官僚にすぎず、元勲山県有朋ではなかった。時代がちがうのである。』

 

そして情報操作の恐ろしさにも触れている。

『第2次世界大戦は資源戦争だったといってよい。なかでも石油は最も重要な戦略物資であった。』

『賀屋や東郷ら開戦反対派はこの数字を頼りに統帥部に抗していこうという姿勢で企画院の資料に頼ろうとした。しかし、この企画院の提出する数字が実はくせものだった。

 十月二十九日の連絡会議で鈴木企画院総裁は「南方作戦遂行の場合液体燃料如何」という問いに対して次の数字をあげて答えている。

 「第一年目、二百五十五万トン、第二年目十五万トン、第三年目七十万トン、それぞれ残る」

 「残る」ということは、“戦争遂行能力あり”を意味する。すでに連絡会議では、このまま推移すると石油のストックは二年間で底をつくこと、人造石油はまだ実験的段階で需要にこたえることは不可能、ということが数字で示されていた。しかし、南方油田を占領すれば石油は「残る」のである。

 日米開戦反対派の喰い下がりの唯一の根拠は、こうして消滅していく。十一月一日の深夜、連絡会議はついに日米開戦を決める。』

 

そして、空気の問題には『空気と戦争』でこう触れている。

160p

 『それでは鈴木総裁に数字的根拠を与えたかたちになってしまった高橋中尉は、戦後、どのような思いを抱いていたのだろうか。

 彼は当時、自分は若いし、ただの末端役人だと思っていた。だが彼らがつくった需給予測、南方石油の取得見込量が、開戦の意思決定に大きな影響を及ぼした。

 戦後になって当時を振り返ったときの高橋さんの「悔恨」をここに記す。

「これならなんとか戦争をやれそうだ、ということをみなが納得し合うために数字を並べたようなものだった。赤字になって、これではとても無理という表をつくる雰囲気ではなかった。そうするよ、と決めるためには、そうかしようがないな、というプロセスがあって、じゃこうこうなのだから納得しなくちゃな、という感じだった。

 考えてみれば、石油のトータルな量だけで根拠を説明しているけど、中身はどのくらいが重油でどのくらいがガソリンなのかも詰めていない。しかも数字の根拠をロクに知らされていない企画院総裁が、天皇陛下の前でご説明されるわけですから、おかしなものです」

186p

『山本七平も『「空気」の研究』でつぎのように述べている。』

「われわれはまず、何よりも先に、この『空気』なるものの正体を把握しておかないと、将来なにが起こるやら、皆目見当もつかない。」

 

日本が破綻する日は、敗戦に向かう当時と酷似している。法律に不備があっても既得権益を持つものの村意識による抵抗、リーダー不在の官僚依存、無責任な情報操作、空気で決められていく意思決定。日本の姿は今も変わっていない。日本はこのまま2度目の敗戦に向かっていくのか・・・。

紹介した『2020年、日本が破綻する日 危機脱却の再生プラン』『昭和16年夏の敗戦』を読みながら、考えてもらいたい。

posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 政治 経済 | 19:40 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
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