PR
Search
Calendar
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< April 2017 >>
New Entries
Recent Comment
  • 入院患者と障がい者に笑顔とコンサートを贈る市民の会 日々是幸日
    shopss (11/19)
Category
Archives
Profile
Links
mobile
qrcode
RSSATOM 無料ブログ作成サービス JUGEM
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

posted by: スポンサードリンク | - | | - | - | - | - |
原子力商戦 日本の課題
 

経済書(新書を中心に)100冊を読む 3−2

激化する国際原子力商戦 その市場と競争力の分析 村上朋子を読む

エネルギー・フォーラム 2010年12月6日初版第1刷

日本をどうする?国民が学ばなければ、政治は動かない。 76

 

NHK NEWS web 5月3日7時0分 

安倍政権 日本企業の原発輸出を後押し

・・・ヨーロッパに派遣されている松山外務副大臣は、3日にフィンランドで政府の要人と会談し、現地で進められている原発の建設計画などを巡って意見を交わすことにしています。
松山副大臣は、先月30日には、日本企業が優先的に原発建設の受注交渉を行う権利を持ちながら、国民投票で原発反対が多数を占めたリトアニアを訪れ、エネルギー相に対し、世界の原子力の安全に取り組む決意を伝えて、計画の推進と日本企業への発注を促しました。
原発の輸出については、福島第一原発事故のあと、国内になお慎重論もありますが、安倍政権は、日本の技術の高さをアピールし、日本企業の原発輸出を後押ししていく方針です。

・・・

アベノミクスにおける経済成長の主要課題に原発産業振興があるようです。今「激化する国際原子力商戦」を読むことに大きな意味を感じています。

 原子力反対派も賛成派も今後の原子力発電が気になるところです。本書の概略を紹介することは、本書を読むことによって今後の動向が判断できると考えたからです。反対派は反対派なりに、賛成派は賛成派なりに読んでみてはいかがでしょうか。

・・・

 

第3章「新興国における原子力導入の動向」では2008年頃から現れ始めた新興国の国際入札・落札の動向について、主として新興国領の事情を分析する。

 

・・・2000年代以降の国際人札・企画競争においては、明確にそれ以前とは違う思想が見受けられる。原子炉プラント本体や核燃料安定供給といった原子力事業だけでなく、資金調達スキーム、関連規制体系整備、道路・港湾・送電設備等のインフラ整備、長期的な人材育成、果てはエネルギー供給多様化や低炭素化・高付加価値化、国全体の産業振興策など、関連する様々な事業に関する提案がもはや普遍的と言っていい。さらに、これまでは天然ガスや石炭といった既存の発電手段との価格競争力のみが問題とされていたが、現在は原子炉の炉型あるいはプラントメーカー間での価格競争力も問題となっていること、すなわち原子力産業内部での勝ち残りも厳しくなっている。

 

第4章からは産業界のプレーヤー及び技術の概要と動向に視点をあてる。第4章「原子力産業の変遷と各社の事業戦略」では1980&90年代の新設低迷期から2006年以降の激動まで概観し、企業の行動原理には各国のエネルギー政策における低炭素化志向・電気(エネルギー)事業者の電源多様化志向があること、従って企業も電源ごとのコスト競争力に着目しつつ「低炭素電源」事業ポートフォリオ(安全性や収益性を考えた、有利な分散投資の組み合わせ。)の一環として原子力事業を展開していることを述べる。

 

・原子力発電が開発途上にある他電源との比較でコスト競争力を維持していくためには、技術進展もさりながら、許認可プロセスの合理化など技術以外の制度整備も重要である。それがなされなければ、原子力以外の多様な低炭素技術を有しているプラントメーカー、特に高い開発・製造技術力と豊富な海外納入実績を有するプラントメーカーにとって、原子力は成長性のある事業分野とは言えなくなるであろう。

 

東芝

・原子力事業の特徴は、自社の製品・サービス技術力、自社内装にこだわるというよりも、顧客へのサービス提案力を重視していることと言える。そのためには自社内に所有していない技術・事業について、顧客への提案にプラスとなると判断すれば速やかに買収することも躊躇しない。

・ものづくりのプラントメーカーというより商社に近い感がある。

日立

 原子力事業に関する日立の事業方針はひとことで言えば「堅実」である。積極的な拡大を図るというよりは、GE主導のマーケティングのもと、自社の強みであるBWR事業(Boiling Water Reactor:沸騰水型原子炉)の更なる深化と発展に専念している。

三菱重工業

 MHIはすでに数年かそれ以上前から海外市場への展開を手がけており、徹底した内製方針に基づくものづくり技術を活かしながら米国や欧州で実績を挙げつつある。同社の場合、すでに高効率石炭火力・タービン等、他の事業とのシナジーも有効であると考えられ、「低炭素」「環境」を軸とした国際事業の拡大には今後とも高い期待が寄せられる。

 

第5章「多様化? 寡占化?・原子炉技術の将来性」では現在開発中の炉概念を紹介し、プラントメーカー各社の戦略と資源配分状況、国際会議での検討状況をレビューし、研究開発の芽は大事だが、結局はブランドと価格競争力により顧客に厳しく選択される世界であることを述べる。

 

ユーザーに選択される炉型の条件

・革新的な炉型がユーザーに認知されるには、まず国際的な学会やシンポジウム等、学術性の高い公開議論の場で認められることは最低条件であろう。

・その次の段階として新型炉に求められる条件は、他電源と比較したコスト競争力であり(原子力の場合は特に建設単価)、あるいはコスト低減の見通しである。

・開発当事者は、電気事業収入が同程度ならば、スイッチングコストをユーザーに負担させないことを実用化の必須条件と考えていくべきであり、そのような開発者間の公平かつ健全な競争が長期的な原子力産業の発展を促進するであろう。そしてそのような場合、炉型選択は各国それぞれのエネルギー事情に応じたポートフォリオ最適化に沿って行われるはずであり、いくつかの主流概念といくつかの有望なニッチ概念とが混在する現在の炉型別シェアがそれほど大きく変化することは考えにくい。

 

第6章「原子力産業の供給源は世界中に−原子力産業を支える供給事業者」では幅広い事業ポートフォリオと高水準・高品質の技術を有するサプライヤー(商品製造業者。また、原料供給国)から見た視点で原子力産業を評価。

 

・エネルギー安定供給という観点から原子力産業の根幹を形成しているのは、商業用原子力発電所の設計・建設・運転そして廃止措置というプラントライフサイクルである。この各ステップにおいては、原子力発電所を所有・運転する電力会社だけでなく、設計・建設技術を有するプラントメーカー、設備・機器を供給する機械・電機メーカー、その機器等の部品・素材を供給する部品・素材メーカー、土本建設を担当するゼネコン、水化学管理等を担当する化学メーカー、工程管理やメンテナンス等を担当するエンジニアリング会社等、幅広い分野にわたりプレーヤーが参画している。ほとんどの企業は原子力事業を専業にしているわけではなく、火力・水力発電、産業機械、重電、家電、電子デバイス、IT・コンピューター、化学、医療、バイオ等々、製品サイクルも投資回収期間も様々な事業のポートフォリオの一環として原子力事業を有している。

 

・サプライヤーが企業の中長期的な戦略を構築する際、まず注視しているものは、各社が市場としている各国のエネルギー・環境・産業政策である。言うまでもなく基本は政策がぶれないことであり、エネルギー需給を取り巻く状況変化や技術の進展に応じ新規項目が追加されたりすることは許容されても、例えば「原子力発電を電源選択のーつとするか、しないか」という大きな項目で180度姿勢が変わるようなことがあれば、その国はもはやサプライヤーから支持されない国と見なされる。

 

第7章「原子力産業と核燃料サイクル技術展望」では核燃料サイクル技術の各プレーヤーから見た視点で、原子力産業を評価する。

 

フランス・ロシア・米国等、核燃料サイクル技術先進国とは決定的に異なり、軍事開発を経験しておらず、海外技術導入からサイクル事業を始めた日本の民間企業としては、フランスやロシアの「プラントとサイクル、両方の事業を全て有する」形態を安易に模倣するよりも、足元の持てる技術を高める、具体的には濃縮役務の国産化比率を高める方が先であろう。

 

第8章以降は以上を踏まえた日本の原子力産業の将来展望である。第8章「日本の原子力産業構造の特徴と課題」では日本の現状に即した国際展開戦略を分析

 

オールジャパンとしての海外原子力展開事業

・大型原子力発電所導入に伴う大容量送電設備・港湾設備・関連工業施設・高速通信網などのインフラ整備まで含めた総合エンジニアリング・ソリューションの提案力。

・原子力を初めて導入する新興国

インフラも未整備な発展途上国には原子力のような高度な発電技術だけでなく、例えば水道・高速道路・高速鉄道網・高速通信網等々のインフラ整備のニーズや、科学技術全般にわたる長期的な人材育成、大学や研究所等の高等教育システムの整備のニーズも高い。従って政府間交渉で原子力導入「だけ」が話題に上がることはまずなく、上記の多様なニーズを背景に、先進国から包括的な協力を引き出す一環として原子力協力が取り上げられることが普通である。すなわち、原子力導入支援の少なくとも初期段階においては、包括的な協力についての協議が必須であるため、政府の深い関与と原子力以外の様々な産業の一体的な協力が必要ということである。

・フランスやロシアはサイクル技術、特にフロントエンドで必須の濃縮技術を有しており、他国に濃縮役務を提供できるほどの設備容量を有していることであった。これが特に新興国向けの商談で有利にならないはずはなく、濃縮施設を(ほとんど)特たない日本は新興国の要求する燃料供給保証を満たすことができず、フランスやロシアと比べて事業機会を逸する可能性が高いというものである。従って、早期のサイクル技術の確立及び濃縮施設のフル稼働(1500tSWU/年)は、日本のエネルギー安定供給の観点のみならず、国際展開の観点からも強く望まれる。

 

「国際原子力開発」の今後―電気事業者の関与

・受注事業者の一部として参加する場合――貢献範囲を明確に限定

・出資者として参画する場合――中途半端な出資は無意味

・オペレーターとして参画する場合――過半数株式を有した上で燃料調達計画も含め積極的関与を

 

第9章「日本はどうする、どうなる?真の成長戦略へ」でそれを総括するとともに、日本の産業競争力向上に原子力産業が果たすべき役割についても提言を試みている。

 

日本の原子力産業が今後目指すべき姿勢と将来像「新成長戦略」

 

他産業よりリスクが大きい原子力産業の海外展開先の条件

日本にとって適切な相手の選択

1)有望な拡大市場であり、海外企業にとっての参入障壁が低く、民間企業として参入のメリットが十分見出せること。

2)他分野も含め日本企業の進出実績があり、資金調達環境や資材・人材などのネットワークがあること。

3)資源やレアメタル・原材料・食料等で今後日本にとって貴重な取引相手であること。

 

民間・原子力非専業の強みを活用

・原子力専業ではない総合エンジニアリング企業として幅広く市場動向や顧客ニーズを把握する視点も備えている

・他事業での経験を原子力事業にも水平展開できる柔軟さを持ち合わせている

 

「ものづくり技術力」こそエネルギー産業成長力の源泉

低炭素電源での生き残りをかけて――コスト競争力向上は必須の課題

posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 日本の政治を考える | 10:38 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
スポンサーサイト
posted by: スポンサードリンク | - | 10:38 | - | - | - | - |









この記事のトラックバックURL
http://kojimataka.jugem.jp/trackback/239
トラックバック