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菅首相への提言2010.07.05 Monday
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JUGEMテーマ:政治全般〜国会・内閣・行政JUGEMテーマ:日常
菅政権の支持率が落ちているのは、消費税増税発言に端を発しているが、消費税増税そのものの影響はそれほど大きなものに思えない。消費税の議論を通して菅総理の優柔不断さと、論理の上滑りが目立ったからだろう。
強い経済、強い財政、強い社会保障が共に成立しないことを各界より具体的に示されて、国民にその必要な政策の実現への不信感が広がっている。
2012年にデフレを脱却できる根拠がない。仮にデフレから脱却して高い経済成長が実現しても名目成長率と金利が同じように上昇し、財政収支は悪化する。財政赤字を増やさない為に目標や希望は示されているが具体策がない。医療や介護の分野が成長産業だとしているが、成長させるための壁となっている厚労省改編案や法律改正が示されていない。
「菅さんの非常識が世界の笑いものになっている」とまで、G20で評論家に言わせてしまった。日本が例外視され、現政権の能力を否定された結果になったことは、国民の一人として悔しい。
財政の危機については首相も真剣に考えているようだが、どうも経済と社会保障に関しては専門知識が不十分のように思える。
不十分だとしてもチームワークで解決していけばよいのだが、問題解決のためのリーダーシップに欠けているのではないか、と思われてしまった。発言が2転3転とするようでは、総理の決意も見えないし、他党の提案を前提条件なしに議論するようでは、党の責任が曖昧であるし、政策実現に必要な既得権益に対抗できる力強さも見えてこない。
国民が求めているのは総理の強いリーダーシップだろう。日本は大変な悪循環の中にいることは国民のほとんどが認識している。これを断ち切るには、先ず、強い決意で戦う姿勢を示さなければならないが、菅首相は官僚や支持団体や党内の批判意見に、脆い面を見せてしまった。
イギリスのキャメロン首相と比較してみよう。
キャメロンが首相になる前に、首相英中央銀行、イングランド銀行のマーヴィン・キング総裁が、「どんな政権になっても厳しい財政再建が迫られ、今後30年間は政権の座に戻れないだろう」と知人に漏らしたと報じられた。キャメロン連立政権がどのような財政再建を示すかが注目された。
英国の選択。キャメロン連立政権は最優先の財政再建策が試金石となった。
キャメロン首相は次のように信念を述べている。「歳出カットによる痛みはこれから何年も続くが、目的のある痛みだ。われわれがおカネを借りれば借りるほど、返済する金額は大きくなり、危険が高まって、金利は上昇する。われわれがなにも対処しなければ、国債の利払い費が教育費や国防費を上回るだろう。適切な政治家の手腕とは、正しい行動を取り、国民になぜそれを行うことが必要なのかを説明することにある」。
最近の英国の世論調査によると、キャメロン政権が5月下旬に発表した第1弾の歳出カット案を3分の2の有権者は支持し、反対は16%にとどまっている。ということです。
英政府は財政再建のため、日本の消費税にあたる付加価値税の税率を、現在の17.5%から20%へ引き上げることなどを盛り込んだ緊急予算案を発表。
「財政再建の目標」について
2015年までに財政赤字の対GDP比率を10.1%から1.1%に減少
英政府支出は、前年比で11年19.3%減、12年は8.5%減が想定
「歳出削減の目標」について
4兆円の歳出削減
「税制の変更」について
付加価値税を引き上げ、銀行税を導入、法人税率を引き下げ
削るべきものは削りつつ、全体のバランスをとる。英公債管理局(DMO)は今会計年度の国債発行額を1650億ポンド(約22兆2000億円)と、従来の1852億ポンドから減額と発表。
取り組みとして、年間20億ポンド規模の新たな銀行税を導入。年収2万1000ポンド(約280万円)以上の公務員の昇給の2年間凍結。子供手当を3年間停止。年金支給年齢の引き上げ等の福祉給付の抑制で、政府歳出の大幅削減を実行することにより、15年度には200億ポンドに減らす方針を示した。
銀行税は独仏と歩調を合わせ資産規模に連動する形で11年から導入する。景気への影響を和らげるため、法人税の基本税率を14年までに28%から24%に引き下げる。付加価値税導入で打撃を受ける中低所得者対策として、所得税の課税最低限を引き上げる一方、高所得者層を対象に株式譲渡益課税を引き上げる。
しかし、財政支出を切り詰めれば失業率が上昇、景気回復を中折れさせる恐れは十分にある。
日本では
首相の強いリーダーシップが求められている。
財政健全化目標:遅くとも15年度までに、国と地方の基礎的財政収支(プライマリーバランス)の赤字対GDP比を10年度から半減させ、遅くとも20年度までに黒字化する。21年度以降、公債残高の対GDP比を安定的に低下させる。
中期財政フレーム:11年度の新規国債発行額は、10年度予算の水準(44・3兆円)を上回らないものとするよう、全力を挙げる。11〜13年度において、国の一般会計歳出のうち国債費等を除いた基礎的財政収支対象経費が前年度(10年度70・9兆円)を上回らないようにする。今後3年間のこうした歳出の大枠は経済・財政状況に応じて毎年度見直していく―――。(週間ダイヤモンド7月10日号参照)
税制の変更:決定事項なし
大枠ははめられたが、具体策やスケジュールは示されていない。目標と実情にあまりにも乖離が大きいことも指摘されている。
消費税の逆進性対策として複数税率や納税者番号制度による給付付き税額控除が挙げられている。6月29日の「社会保障・税に関わる番号制度に関する検討会」では、「税務分野のみで利用するドイツ型」「税務+社会保障分野で利用する米国型」「幅広い行政分野で利用するスウェーデン型」の3案が提示されている。
私の個人的な意見としては税・公的保険・年金・所得保障を合わせた世界に類のない形のものを、地方分権の柱にすることが望ましいと考えています。
つまり、経済、財政、社会保障を国民生活側から大きく一本化して捉え、生活に密着した形の「給付付き税額控除」が必要でしょう。事業者にも消費者にも、事務負担削減のための番号制は必要です。消費税の逆進性対策と、これで2割以上の公務員削減が出来る。
経済では不況と言われていますが、円高の影響で、ドルベースでもユーロでも個人金融資産は減っていません。外国から稼ぐ金利配当収入の所得黒字も09年に16兆から13兆と減少していますが、依然堅調です。日本の貿易黒字も相手国の経済の落ち込みで落ちているものの、日本のブランド力は健在で依然高い黒字を維持している。財務省国際収支統計を見てください。日本のブランド力で言えば、トヨタのことはとても心配しています。
問題は将来的なブランド力の強化と、経済の老化現象による「内需縮小」です。
次世代ブランド力について簡単に提案しておきます。
日本の農林水産業の人と技術のブランド力を徹底的に高める。
○世界中の国に人口増と都市化が進めば、最も問題となるのは砂漠化です。
先ずは、安田喜憲の『森林の荒廃と文明の衰退』『文明は緑を食べる』を読んでほしい。
1988年にこの論文と1989年にこの書を読んで強い衝撃を受けた。これが世界を救う。※ オアシスの定義とは、ポプラ等の防砂林と水が蓄えられた治水工事がされていることとしたい。
日本の上下水道技術を集中的にレベルアップする。そして世界トップの植林技術を活かす。・日本庭園の美しさを見よ。庭園技術は世界を席巻する有力なビジネスに成り得る。
・〖スーパー緑化都市開発事業〗と名付けたい。何故スーパーなのかはスーパーコンピューターを導入し、将来の都市設計まで照準に入れておこうということである。
・食料自給率が低いといわれているが、実は日本の農林水産の技術は世界のトップにある。
・日本のITと上下水道技術と農林水産技術をパッケージにして販売するのである。組み合わせることで、世界中のどこを捜しても日本の技術力と勝負できる国はなくなる。
・都市の基本設計は緑化と上下水道からが基本です。この根幹を握る。
※ 事業規模は恐らく1京円をはるかに上回る。※ 観光としてはディズニーランド形超大型ファッションシティーの建設である。
ファッションだけではなく、電化製品、自動車、手工業品、食料品等、徹底的にオシャレな少数希少品のバザールシティを目指す。デザイナーと技術者の育成。
・徹底的に楽しい、オシャレ、超大型、最先端が最低条件である。カジノの発想は古い。
そして、最先端のオシャレと日本の古都めぐりという、ギャップの面白さを観光にする。古都では街と自然の調和の美しさをカタログとする。
※ 医療と介護においては、理想として、インフラ整備・公共投資で医療と介護のためのミニシティを建設し、特区として自治も認める。このミニシティでは貯蓄はいらない。高齢者の資産は次世代の産業に投資していただいて、相続税は無くす。富める者も貧しき者も区別はあるが、等しく幸せな看取りを実現する。
日本がまだ少し余裕のある間に、思い切った経済・財政・福祉の将来像を作っておきたい。首相のリーダーシップにかかっている。批判を恐れてはならない。キャメロンの真似をすることではない。彼のリーダーシップに見習いながら、日本が世界の将来像を示す政策案を立てようということです。
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スポンサーサイト2016.04.17 Sunday
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