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原発と復興を考える 9 自立支援イデオロギー
JUGEMテーマ:大地震
 

9 原子力問題と復興への提言

 被災による貧困と子どもの問題「自立支援イデオロギー」

 

復興需要が経済回復の起爆剤になるといわれている。

 モーニングスター社は3月14日の記事で

阪神・淡路大震災と比較して次のように分析している。

・・・・・
 阪神・淡路大震災では、6343人の死者数を出し、戦後わが国で発生した災害としては最悪の被害をもたらした。直接被害額はおよそ9兆9000億円と推計され、国富の0.8%に相当した。
 95年の経済白書には、同震災がマクロ経済に与えた影響について、(1)被災地域における生産・支出の減少などによる経済活動へのマイナスの影響よりも、(2)今後、中・長期にわたって毀損(きそん)したストックを再建(復興)していく場合の経済活動へのプラスの効果が大きく、結果として2%程度経済を押し上げる効果があると見られる――と予測された。
 結果、99年の経済白書では、95年の阪神・淡路大震災によって「日本経済に予想外の需要が追加された」ことを理由の一つとして、「90年のバブル経済崩壊後で比較的経済が良好だったのはこの95、96年の2年間である」と指摘している。
 このことから考察するに、今回の東北地方太平洋沖地震は、地震の規模、被害総額といった点から、復興需要は阪神・淡路大震災を上回ると見られ、経済を押し上げる効果を持つと予想される。日本経済は東北地方太平洋沖地震からの復興を契機に回復軌道に乗る可能性が大きい。特に復興関連の建設関連企業などについて、復興需要は企業業績に好影響を与えるだろう。
2つの大きな懸念材料
 ただ、そこには2つの大きな懸念要因がある。第1は、財政問題。今回の東北地方太平洋沖地震は政府・中央防災会議などの想定をはるかに上回る規模の地震であった。このため、復旧・復興資金の調達は現在の悪化した財政状況と相まって、かなりの工夫が必要になるであろう。
 現在の財政状況から考えると、復旧・復興資金は国債発行に頼らざるを得ないと思われるが、資金規模が巨額になればなるほど、これまでのように国債を国内で消化することが難しくなり、海外から資金を調達しなければならない可能性が出てくる。この場合には、円に対するリスクプレミアムや財政悪化懸念により、金利上昇が発生するリスクがある。また、震災による財政負担の増加は、その返済のための増税に結び付きやすくなる。さらに、国内の資金需要のために世界中からジャパンマネーが国内に還流する可能性もあり、この場合には円高に触れることが考えられる。
 第2に復興関連市場、特に建設業における需給ギャップの問題。今や建設業の需給ギャップは小さく、住宅やインフラ・企業設備など物理的被害を回復させるためには、かなりの時間を要すると推測され、それと同時に物価上昇のリスクが生じる。
 国内の建設市場の規模はすでに阪神・淡路大震災当時の半分以下に縮小しており、仮設住宅の建設はもとより、被災地における住宅供給能力が決定的に不足している状況にある。阪神・淡路大震災が発生した95年度のわが国の建設投資額は名目値で79兆169億円だったが、その後は一貫して縮小を続け、10年度は41兆6000億円と半減、また、建設業従業者も95年12月末の551万人から10年度12月末には499万人に減少している。
 こうした懸念はあるものの、東北地方太平洋沖地震の復旧・復興需要は確実に阪神・淡路大震災よりも大きなものとなり、それは日本経済を押し上げる大きな要因になるものと推測される。(鈴木 透):モーニングスター社

 

 阪神・淡路大震災が発生した1995年、この年の流行語大賞は「無党派層」だった。多くの国民が政治に信頼がもてなくなったという意識がはっきりと内外に示された年と考えてよいのではないだろうか。

震災への政府の対応の拙さにも、住民の多くは腹の中を煮え返していた。今回の震災でも同じような問題が噴出するだろう。教訓がいかされることを望みます。阪神・淡路大震災では住民の深刻な不満はあまり報道されていなかったことも、残念に思っています。

 阪神・淡路大震災の復興を直ぐ傍で見て来たものにとって、その後の阪神間の自殺者や自殺未遂者の数の多さが、全てを物語っていると思います。当時に神戸中央市民病院で救急医をしていた医師に聞くと、それは半端な数ではなかったことを、話されています。

 復興に成功したものだけが、震災の経験を語る現実をどう見たら良いのだろうか。

 

 東日本大震災に「復興関連の建設関連企業などについて、復興需要は企業業績に好影響」を及ぼすかも知れないが、その一時的な好景気で使い捨てにされる労働者のことも考えていかなければならない。そして、原発問題は復興への大きな足枷になるだろう。

 復興需要に期待する人は多いだろうが、復興から零れ落ちていく人も少なくは無いだろう。阪神・淡路大震災を教訓とするなら、復興から零れ落ちる人がいないようにすることだと、私は考えています。

 

「1995年」中西新太郎編

大月書店 2008年9月22日発行

の「対談3」で、中西新太郎と湯浅誠が対談している。

143p

中西 ・・・95年には阪神・淡路大震災があり、そのなかで生活の問題――底所得層など、生活の差による震災の被害の差など――がはっきり出ました。そもそも神戸という市自体が、そうした点では問題を含んだ都市開発をおこなってきたということもあり、日本社会のなかでもそうした生活をめぐるさまざまな問題が、震災のような大きな出来事のなかではっきりした。にもかかわらず、そういう貧困の問題が、あの当時、どう扱われた/扱われなかったのか、そこを考えなければいけないと思うのです。

 生活という観点でみると、たとえば自殺件数における経済的困難によるものの割合、破産の件数など、あらゆるデータが95年あたりから、急坂のように上昇していく。想像を絶する津波のような生活難というものが、この5、6年間にどっと増えて、その入口が95年だったのではないかと思います。・・・

 

 私は居酒屋のおやじですが、飲兵衛を見ていて、私にもこういう実感はあります。

149p

湯浅 ・・・90年代後半に野宿者がどんどん増えていくのを見て、当時私は「日本社会に層として生活困窮者が生まれている」と言っていた。

151p

 94年に最初の露骨な排除(路上生活者)がおこなわれ、96年の青島都知事時代にもう一度大きな排除があるわけですが、その2年のあいだに野宿者運動が組織されたことで、96年にはかなりの抵抗が示された。その年に東京都がつくった「路上生活者対策報告書」で野宿昔の自立を支援するということが言われ、その頃から自立支援という流れが強まっていきます。先ほどからの話に即していえば、排除と統合ですね。排除一辺倒ではなくある種の統合をともない、しかし野宿者をつくりだす構造そのものには基本的に手をつけない、という。

 これは全国的にみてもかなり早いのではないかと思います。私は一時期真剣に、自立支援イデオロギーというのは野宿の分野から始まったのではないかと思っていた。「本当は働けるのに働いていない」というように自立支援イデオロギーが一番はめやすい存在だからなのか。たんなる排除ではなくて自立を支援するのだからいいだろう、というような図式が、このあたりから始まった新しい段階なのではないかと思います。

 

排除と統合。排除一辺倒ではなく、自立支援というイデオロギーの形成ですか・・・。

153p

湯浅 ・・・人間の定義がどこかで変わってしまったということです。つまり市場原理のなかで生き残っていけてはじめて、ないしはそのために努力するのが人間だ、という価値観です。そうでないものは、とくに何もしなくてもそれだけで秩序を乱す存在で、排除の対象になる。

 新自由主義とはつまり、市場化されていない領域を市場化していく運動ですから、あらゆるものが市場化されていくなかで人間も市場化されてしまった。だから、リスクをとらない人間、自立のためにがんばらない人間は人間としての価値がない。

 

 「人間の定義がどこかで変わってしまった」=自立も市場化されているのでしょう。

154p

湯浅 そうと意識されずに変わってしまったという感じですね。「自立支援」とか「自助努力」に象徴されると思いますが、つまりは生が値踏みされている。「お前は救済に値するだけの努力をしているのか」という問いかけに、福祉の受け手はつねにさらされている。それこそ24時間成果主義のもとにおかれて、自分がどれだけ受給者として立派な、救うに値する人間なのかを証明しつづけなければいけない。そうでなければ最低限の生活を確保する権利もないとされてしまった、この変容は重大だと思うのですが、いまや当たり前になっている。

 

 震災復興にこのような「自立支援イデオロギー」を持ち込んで良いのだろうか?

posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 大災害 | 15:51 | comments(0) | - | - | - |
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