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姫路の救急医療を守る市条例試案 10
JUGEMテーマ:社会問題
姫路の救急医療を守る市条例試案 その10
医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会
 
 13年前に出版された本で“とっさの時に人を救えるか ――災害救急最前線――”橋爪誠著(中央労働災害防止協会発行 中災防新書)を再び読み直した。再び読み直して、再び思ったことは、地震列島に住む住人の必読書であることです。
 何が書かれているのか?
26p〜最初の救急対応には、勇気がいる
 ・・・災害時や緊急の事態が発生した時に、負傷した人を最初に見たあなた方一人ひとりが、そのとっさの時に、どうすればよいのか、誰かが意識を失って倒れている場面に遭遇した時、どうすればよいのか。今後、そのような場面に出会った時のために、日頃より何を準備しておくべきか。何を知り、何を身につけておくべきなのかを中心にお話ししたいと思います
 また、社会は、われわれ市民のためにどのような仕組みを用意しているのか、簡単にご説明したいと思っています、これは、ともに社会の一員として生きていくために、社会の仕組みをどう受け入れなければならないのかを知っておく必要があるからです。例えば、集団災害の場合には、優先順位(トリアージ=患者選別)がつけられ、助かる見込みのある緊急度の高い人から応急処置がなされるからです。
 救急医療の最初の対応は、人を愛する気持ち、入の命の尊さを知り、勇気を持った者でなければ決してできるものではありません。この勇気は、前もって備えなくしては身につくものではありません。なぜなら、一刻を争う時に、これからお話しすることをあなた自身ができるかがかが、人の命を左右するからです。
・・・
 災害とはどのような事態が起きた時のことだろうか?
28p・・・「災害」とは、被災地の対応能力をはるかに超えた人と環境との広範な生態系の破壊を指します。重大かつ急激な出来事が発生し、人間とそれを取り巻く環境との広範な破壊の結果、被災地域がその対応に非常な努力を必要とし、時には、外部や国際的な援助を必要とする程の大規模な非常事態のことを災害というのです。
・・・
 今回の熊本地震でも分かるように、大規模な災害では道路が寸断され、被害も広範囲に渡り、被害者の数も多くなれば、専門家による救命救急措置を受けることや、病院への搬送には時間がかかる。
 自分が被災現場に居て、怪我をすることもなく元気な状態であれば、何ができるのだろうか?その時、人を救うことはできるだろうか?また、心構えはどうあるべきなのか?
41p・・・阪神・淡路大震災の時に明らかになったように、平時からの防災訓練が極めて大切です。特に、災害などが発生した時に、自分が何をしたらよいのか、何かできるのか、平時より役割分担を決めてはっきりさせておくと、比較的あわてずに、目的をしっかり持って行動することができます。災害に対する準備とは、まさに、その時に、自分は何をすればよいのか、どう行動すればよいのかを理解することです。
・・・
 本書を読みながら、皆さんにも考えてもらいたい。
本のカバーと著者略歴を添付しておきます。
 
本書の第7章 瓦礫の下の医療 102pの、次のような記述に注目してもらいたい。
 
  • ヘリコプターの活用を図り、ヘリポートは、病院も被災する可能性があるため、屋上より地上に設置する。
 
姫路に計画されている新県立病院では、ヘリポートは屋上となっている。
資料2を添付したので見てほしい。
資料にはこう書かれている。
 
2 新病院におけるヘリポート整備(委員会意見案)
(1)周辺の騒音対策、敷地面積の有効活用の観点から、新病院においては、ヘリポートは屋上設置を検討することが望ましい。
 
 新県立病院は姫路の医療の中心になる病院として計画されている。当然、災害時にも災害医療の中心となる病院であるはずです。ヘリポートは屋上であってはならない。
 病院計画が狭い土地に無理やりに建築されることに、ここにも疑問が生じる。何故に病院を中心とした、22haの再開発計画がある広畑に病院を建てないのかが、私には理解できない。広畑再開発地は、病院計画が進められている駅東の土地の7倍もあり、山陽電車の駅の前に広がる広々とした土地です。何故に駄目なのか、どの資料を見ても説得力がない。ヘリポート問題は病院計画を根本から問い直さなければならないことのようにも思える。
 
・・・・・
 
姫路の救急医療を守る市条例を策定するための条例思案10
 
【10】重症の救急患者を収容する医療機関はその不採算性のために維持が困難であり、財政的なバックアップが必要。
 
1997年12月11目、厚生省健康政策局発表の救急医療体制基本問題検討会報告書では、「救急医療は“医”の原点であり、かつ、すべての国民が生命保持の最終的な拠り所としている根源的医療と位置づけられる」と述べられている。
 救急医療は「健康的で文化的な」生活に欠かすことができない社会基盤である。国民が「いつでも、どこでも、だれでも」適切な救急医療を受けられることを望むのは当然であり、すぐれた救急医療サービスを実現するうえで、枠組みづくりにおける行政の役割と責任は大きい。
 救急医療が“医”の原点であるのなら、救急医療政策が医療政策の原点ということにもなる。「目の前で苦しんでいる患者さんの求めに応じて、適切な医療を提供する」ことが“医”の原点ならば、苦しんでいる患者を一人でも多く救いたいとの使命感から、過酷な勤務状況に苦しんでいる救急現場の医師がいたのなら、その求めに応じて、適切な政策を提供することが医療政策の責務だと、私には思える。患者と医師の傷病に立ち向かう協働作業を支えるのが医療政策の原点であるだろう。
 
6年前に出版された“医療改革をどう実現すべきか”という書籍がある。ハーバード大教授陣が著したもので日本経済新聞出版社から出ている。最後に「なぜ改革に挑むのか」という項目がある。答えは参加者それぞれの個人的価値観次第であるが、いくつかの考え方が述べられている。
 第1に、健康というのは、社会のすべての構成員にとって機会と幸福の両面において真に重要な要素である。したがって、健康状態の改善のために働く者は、ほとんどどのような倫理的観点からも真に重要な仕事をしていることになる。同じことは、大きな不安や喪失をもたらすことの多い病気の経済的リスクから個人を守る取り組みについてもいえる。
 第2に、私たちの倫理観からは、そうした利益を社会的弱者に提供することは、とりわけ喫緊の課題であり称賛に値する仕事である。発展し続ける現代医学へのアクセスを改善させれば、数十億人とまではいかなくても数百万人の人類の命を政うことができるかもしれない。  略
 第3に、医療改革は、困難でフラストレーションがたまるものではあるが、知性、エネルギー、情熱そして批判的思考によって大きな貢献ができる舞台であると私たちは信じている。医療改革は、分析力、対人能力、創造性、目的意識など人間の様々な側面を必要とする領域である。それには、政治、経済から文化的な要素、生物学的過程や哲学的信念まで、人間生活の様々な側面を理解する必要がある。
 医療改革はリーダーシップや職人的技術を発揮する機会、そして真に価値のある仕事をする機会を提供してくれる。 略
 
「健康状態の改善のために働く者は、ほとんどどのような倫理的観点からも真に重要な仕事をしている」「人々の命を救うことができるかもしれない」「真に価値のある仕事をする機会を提供してくれる」医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会は本書から多くのことを学んでいる。
 
医療改革とはどのような社会を作りたいのかを体系的にとらえる作業である。
 



posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 地域リーダーの会 | 21:45 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
姫路の救急医療を守る市条例試案 9

姫路の救急医療を守る市条例試案 その9

医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会

 

 巷にリーダー論は山積みになっている。私はリーダー論の全てを知っているわけではないが、“医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会”のリーダー論はドラッカーの言うこの二文字に尽きる。【貢献】。

 「成果をあげるには、自らの果たすべき貢献を考えなければならない。手元の仕事から顔を上げ目標に目を向ける。組織の成果に影響を与える貢献は何かを問う。そして責任を中心に据える」(『経営者の条件』)

 「自らの果たすべき貢献は何かという問いからスタートするとき、人は自由となる。責任をもつがゆえに自由となる。」(『明日を支配するもの』)

 「自らの果たすべき貢献を考えることが、知識から行動への起点となる。問題は、何に貢献したいかではない。何に貢献せよと言われたかでもない。何に貢献すべきかである」(『明日を支配するもの』)

 ノウレッジ・ワーカー(知識労働者)の多くは自らの意思で組織や集団に参加している。自ら考え、組織に対して最も付加価値を高め、自分の強みを活かして貢献する。このような知識労働者をドラッカーは単なる従業員ではなくボランティアとして扱わなければならないと言っている。

 知識労働者とは、どのような存在なのだろうか?

 「現代社会の生産手段を保有しているのは、資本家でも経営者でもない。知識・情報・技術・ノウハウ・スキル・・・・が今日の生産手段であるのだから、ノウレッジ・ワーカー(知識労働者)こそが所有者だ、ということを肝に銘じて対応しなければならないとドラッカーは鋭く指摘する。」“ドラッカーのリーダー思考”小林薫著(青春出版)

 同書より・・・・・

ドラッカーは、こうしたボランティア的社員をマネジメントするには、上に立つマネジャー自身の頭を相当切り替えない限り成果はあがらないとして、単なる昔ながらの権限移譲(デリゲイション)を大きく超えたエンパワーメント(自主判断の尊重)が不可欠であることを強調する。

エンパワーメントとは、権限移譲と異なり、任せるだけでなくて、どちらに決めるかを迷ったときには担当者が自主的に判断し、それを上司が信頼するものであるとして、「ボランティアマネジメント」のコツと難しさを説くのである。

・・・・・

私はこのような「ボランティアマネジメント」のコツと難しさに対応するマネジメントとして、サーバントリーダーシップが適当なのではないかと考えています。

 サーバントリーダーシップを手っ取り早く知るには“NPO法日本サーバントリーダーシップ協会”のホームページを見てほしい。

 ホームページでの説明。

支配型リーダーシップの反対が、サーバントリーダーシップです。サーバントリーダーシップは、ロバート・グリーンリーフ(19041990)が1970年に提唱した「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学です。

サーバントリーダーは、奉仕や支援を通じて、周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況を作り出します。

とある。そして、

サーバントリーダーシップの10の特性とは

傾聴

相手が望んでいることを聞き出すために、まずは話をしっかり聞き、どうすれば役に立てるかを考える。また自分の内なる声に対しても耳を傾ける。

共感

相手の立場に立って相手の気持ちを理解する。人は不完全であることを前提に立ち相手をどんな時も受け入れる。

癒し

 相手の心を無傷の状態にして、本来の力を取り戻させる。組織や集団においては、欠けている力を補い合えるようにする。

気づき

鋭敏な知覚により、物事のありのままに見る。自分に対しても相手に対しても気づきを得ることが出来る。相手に気づきを与えることができる。

納得

 相手とコンセンサスを得ながら納得を促すことができる。権限に依らず、服従を強要しない。

概念化

 大きな夢やビジョナリーなコンセプトを持ち、それを相手に伝えることができる。

先見力

現在の出来事を過去の出来事と照らし合わせ、そこから直感的に将来の出来事を予想できる。

執事役

 自分が利益を得ることよりも、相手に利益を与えることに喜びを感じる。一歩引くことを心得ている。

人々の成長への関与

 仲間の成長を促すことに深くコミットしている。一人ひとりが秘めている力や価値に気づいている。

コミュニティづくり

 愛情と癒しで満ちていて、人々が大きく成長できるコミュニティを創り出す。

・・・・・

となっている。

 

「貢献を活かすサーバントリーダーシップに欠かせないものが、謙虚に問いかける技術」ということになります。

 

医療政策集中講義〔編 東京大学公共政策大学院 医学政策教育・研究ユニット 医学書院〕の最後の論文で、サーバントリーダーシップを紹介されている睨樅丹貔萓犬二つの表を示されているので紹介したい。

 表4−3 戦略的思考(リーダーの責任)

 表4−4 情動知能(感性を含んだ知性)の要素

 

・・・・・・

 

姫路の救急医療を守る市条例を策定するための条例試案9

 

【9】高齢者施設による利用者の救急医療情報キット作成を義務化する。

 

救急搬送率は65歳から急上昇している。団塊の世代が75歳以上になる2025年には、高齢者への救命救急医療の対策が適切に行われていなければ、救命救急センター本来の責務が果たせなくなる危険性が高い。高齢者救急患者への対応が急がれる。

 様々な取り組みが必要とされるが、救急医療情報キットの活用を提言したい。将来的には病院などをLANやインターネット回線などのICTを用いた救急医療情報の機能強化(ハード)・共有(ソフト)を充実させる仕組みが必要だが、整備されるに至っても救急医療情報キットの活用を最大限に推し進めて、少しでも救急医療体制の安定化を図るべきだと考える。

 高齢者施設などに入所中の超高齢者の病状の悪化(意識障害、呼吸不全、胸痛など)といった、救命救急センターヘの収容要請をしてくる事例が増えている。これらの患者の対応については、その施設の提携病院あるいは協力病院が診療する本来のシステムが構築されていなければならない。

 がん末期の患者でかかりつけの医療機関がある場合や、寝たきりの高齢者(老人病院や施設に入院・入所している患者)などの場合、状態が悪化することは予測可能なことであり、本来それは通常の医療の中で対応すべきものです。今後、地域包括ケアシステムの整備が進み、在宅医療を推進した場合、在宅医療を24時間365目に支援できる在宅医療後方支援病院の充実がなければ、救急搬送が増えるのは当然となる。姫路においては在宅後方支援病院の充実を図るとともに、高齢者救急医療の見直しとルール作成が医師会を中心とした医療施設群にも求められる。

 それらの問題と併せて、大きな問題になっていることは、営利法人が経営するサ高住を中心に増加する老人施設はおのずと同施設の入居者に対する急病等急変時の対応はできないため、救急搬送依頼を増加させていることである。救命救急を高齢者の看取りの場とする状況は、医療現場を一層疲弊させることになっていくこともあって、高齢者施設への救急要請のあり方の指導が行なわれなければならない。その指導は、高齢者福祉施設入居者は入居時点で個別に搬送先を決めておく、(A号室の方は・・病院、B号室の方は××病院といった)ものをも求められます。そのような対応が困難な施設においては、行政が努力を求めて、援助していく必要があるが、現時点では最低限の責務として、高齢者施設には救急医療情報キットの利用者への作成を義務づけることが求められる。

 (看護、医学的管理下における介護及び機能訓練などが行われている施設においても同様)

 救急医療情報キットについて

 【高齢者や障害者などの安全・安心を確保するため、かかりつけ医や持病などの医療情報や、薬剤情報提供書(写し)、診察券(写し)、健康保険証(写し)、本人の写真などの情報を専用の容器に入れ、居住地に保管しておくことで、万一の救急時に備えます。

 持病や服薬等の医療情報を確認することで、適切で迅速な処置が行えること、また緊急連絡先の把握により救急情報シートにない情報の収集や親族などのいち早い協力が得られます。】

 医師会・かかりつけ医の積極的な働きかけによる救急医療情報キットの普及率の向上や適切な情報の更新も必要。行政機関においては医療機関による更新の努力を支援するための措置が求められる。自治会等での啓発活動も含め、地域全体での取り組みが地域の救急医療の命運を分けることになる。

 

 

JUGEMテーマ:社会問題
posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 地域リーダーの会 | 15:20 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
姫路の救急医療を守る市条例試案 8
JUGEMテーマ:社会問題

姫路の救急医療を守る市条例試案 その8

医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会

 

 先月の末に転倒して怪我をしてからは体調も悪く、気持ちも優れません。“すぐ勝てる!右四間飛車”という本を読んでパソコンと将棋をしたりしていましたが、3勝30敗で、これも気分転換にはならなかった。怪我は癒えてきましたが、頭がフラフラするので、気分は晴れない。以前から読んでおきたいと思っていた“生死学”の本を手に取ったが、字が小さくて目が痛くなってくる。4年程前に買ってはいたものの、まだ読んでいなかった、少し字が大きめのエドガー・H・シャインの“問いかける技術”(英治出版)を読んでみた。これが面白くて、ほんの少し気分が前向きになってきました。

 

 124pにこんな記述がありました。

・・・

 世界は今、技術がますます複雑化し、人々が互いに依存するようになり、社会が文化的に多様化している。このことは、人間関係の構築が仕事を進めるうえでますます重要になってきたことを意味すると同時に、人間関係を築くこと自体が以前よりも難しくなっていることも意味する。円滑なコミュニケーションをおこなうためには、人間関係が重要な役割をはたす。課題を遂行するためには、コミュニケーションが円滑におこなわれていることが肝要だ。良好な人間関係を維持するためには、「今ここで必要な謙虚さ」を軸として相手に「謙虚に問いかける」ことが、かぎとなる。

・・・

 140pにはこのような説明もある。

・・・

社会学の分野では、人々が体験するあらゆる人間関係について、それらを分類するさまざまな方法論が提案されてきた。「謙虚に問いかける」を理解するためには、特に用具的関係と表出的関係を区別して考えるとわかりやすい。用具的関係とは、一方が他方から得たいものが明確にある場合を指す。表出的関係とは、関係者の一方または両方が互いに好感を持ち始め、相手との付き合いを深めたいという個人的なニーズに突き動かされる場合だ。

 これらをもっと簡潔に表現するために、私は「課題指向の関係」と「人間指向の関係」という言い方をする。

・・・

 

 私は医療と介護の問題に取り組んでいるので、日頃から医療者や議員や行政関係者と話すことが多い。そこで、いつも感じることがあります。医師は医師的な発想があり、行政には行政的な発想があり、議員には議員的な発想がある。特に、その世界で優秀な人ほどその傾向が強い。その傾向は年々はっきりとしてきているように感じられる。本書の一文を読んで思わず、ポンと膝を叩いた。「技術がますます複雑化し、人々が互いに依存するようになり、社会が文化的に多様化している。」

なるほど、そうなんだよな。

 医療の世界は急速に高度化し、医師も勉強に没頭しなければ新しい技術から取り残される。行政は住民の多様化する価値観に、戸惑いを見せながらも対応の努力に暇がない。議員は複雑化する社会への理解は欠かせない。仕事を真面目に考える人ほど、社会を総合的にとらえることの困難さに気が付いている。したがって、人々は互いに依存する関係を大切にしなければならないことを知り、関係性のあり方に敏感になっている。この時代が抱える問題は、もはや個人の能力では解決することが出来なくなっているのです。問題解決にはチームで取り組む。そして、そのチーム力を如何に高めるかが、求められる時代になっている。

 「人間指向の関係」に鈍感で、時代を読めない上司がいると、スタッフの苦労は人一倍となる。解けないパズルに悩まされることになってしまう。自分が無能なリーダーにならないために、この一冊は読んでおきたいものです。謙虚に問いかけることが出来るリーダーには、そのチームに大きな成果が約束される。

 医療政策集中講義〔編 東京大学公共政策大学院 医療政策・研究ユニット〕医学書院、には添付したような「戦略プラン策定シート」「医療を動かすイメージ」「医療改革実現プランおロジックモデル」という図があります。とても、面白く参考になりますが、このような取り組みの前提には、「謙虚に問いかける」ことが求められる。

 “問いかける技術”178p

・・・人間が論理的に結論を導き出す能力には限界があり、その精度は根拠として採用したデータの質によって決まるという点を、早い段階から認識しておくべきだということである。「謙虚に問いかける」は、データを集める一つの信頼に足る方法である。・・・

 

 

・・・・・

 

姫路の救急医療を守る市条例を策定するための条例試案8

 

8】救命救急センターの空床確保を容易にするために、後方病院の確保を行政の立場からも整備する。

 

東京都医師会救急委員会委員長、医療法人社団誠和会白扇橋病院院長・石原哲医師の平成20年に“救急医療改革”(東京法令出版)で掲載された論文の一部に以下のように述べられている箇所があった。

・・・

大都市東京都は昼間人目と夜間人口に極端な差があり、救急患者発生数を算定したところ、必要医療機関数は232施設となった。また、過去の救急搬送受け入れ病院の実態を調査した。413の救急告示医療機関のうち、年間500台以上の救急車を受け入れている医療機関は239施設で、全救急患者の93.5%となっていた。入院患者数の発生理論値からは250病院で必要病床は各2.7床となった。その結果、新たな二次救急医療体制の要件を、固定制・通年制とし、24時間体制で必ず診察し、必要な検査等ができる体制が必要で、救急ベッドとして毎日最低3床確保しておくこと等が要件となった。この基準に従って二次保健医療圈単位に過去の救急車搬入実績等を基準に病院選定を行い、278医療機関が選定された。3科対応病院・2科対応病院・単科対応病院と各地域の実状を踏まえた体制となり、各医療圈単位においても適正な配置となり、地区医師会に周知連携をとり、全国に先駆け固定通年制とした二次救急医療新体制のもと、病院選定の迅速化を図り、都民や救急隊にも分かりやすい「休日・全夜間救急診療事業」を平成11年4月から運用開始した。救急車の受け入れ状況も良好となり、病院選定がスムーズに行われ、全国平均が延長されている中、病院到着時聞か27.3分から26.7分と、約1分短縮された。

・・・

 

このような取り組みがあって、約1分短縮された、とある。この1分をどう見るのか。1分ぐらいならしなくてもよい取り組みなのか、1分また1分と短縮への取り組みを積み重ねていくことが重要だと考えるのか、地域の医療対策の根本的な姿勢が問われる。ドイツでは州法で、州民には15分以内に治療が行われなければならないとする15分ルールがある。姫路では救急隊による受け入れ交渉を5回以上要した事案は平成27年1年間で960件あったという。たとえ1分でも、たとえ1件でも減らしていくことが必要ではないのだろうか。

 

上記“救急医療改革”論文集には『広島市における病院群輪番制の経緯一特に臓器別診療科の導入を中心に−』という論文もあり、おわりに、ではこう書かれている。

・・・

最後に極めて重い問題を提起しておきたい。すなわち、死亡者数は、2025年に現在の約1.5156万人に増加すると推計され、それは高齢者の増加による。救急の現場でも高齢者の増加は既に現実であり、更に加速される。医療者は最善の医療を提供することが使命であり、この理想の追求には、今以上の大幅なマンパワー、コストの投入が不可欠である。尊厳ある死の問題も避けられない。医療が経済的制約を有している以上、国民はどこまで社会保障としての基盤整備を望むのか極めて重大な決断を迫られている。

我々医療者は、国民的合意形成のために、正しく情報を発信する責任がある。

・・・

 

正しく発信された情報は、正しく受けとられなければならない。










 
posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 地域リーダーの会 | 17:31 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
姫路の救急医療を守る市条例試案 7
JUGEMテーマ:社会問題

姫路の救急医療を守る市条例試案 その7

医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会

 

医療政策集中講義からの二つ目の表です。

 表2-2 患者・住民アドボカシーの6つの特性

1.課題発見力

 医療提供者や政策立案者などが、気づかなかったり、看過したりしていることを社会課題として掘り起こすチカラです。

.ドリーミング力

 理想の姿を描くチカラです。漸進的な変化ではなく、抜本的で大きな変化を求めます。目標もストレッチ(小さな向上でなく大きな向上を求めること)します。それが、チャレンジカを生みます。

3.チャレンジ力

 タブー視されていること、政策立案者や医療提供者が無理とあきらめがちな大きな改革に取り組める。それは、後の連結力や社会共感創造力があるからです。

4.成果執着力

 対策や施策という問題解決の手段を打っただけで気を緩めません。その結束とし、患者にとっての生命や健康状態、生活の質(QOL)、生活の安心や満足などの「アウトカム(成果)」が向上することを求めます。

5.連結力

 政治家、行政、医療提供者、企業、メディアなどの異なる立場との対話や協働の場を設定したり、つなぎ役になることができます。

6.社会共感創造力

 病気と向き合う患者さんや害を受けた患者さんが表に出て経験を話すこと、自己の利益でなく他の患者さんや社会のことを思った、アドボケートの利他的で自己犠牲的な行動は、社会の共感を生み、メディアの報道を誘発し、他のステークホルダーを動かす原動力となりえます、

 

出典:日本医療政策機構市民医療協議会。患者アドボカシーカレッジ「O-2アドボカシーの果たす役割」

 

6つの特性、課題発見力、ドリーミング力、チャレンジ力、成果執着力、連結力、社会共感創造力を身に着けることは大変なことだと思う。

この6つの特性はどんな組織においても、イノベーションを実現するためには、必要なものだろうと思えます。

○課題発見力

外部環境の変化から、自らの組織の置かれている現在の正確な位置を分析する。何を、如何に、どのように改革するのか、課題を鮮明にしておかなければならない。変革すべき課題がなければ変革の必要もない。

○ドリーミング力

 組織を動かすエンジンは二つ。金と、社会への貢献という意識。特に貢献という使命感と、実現に向けた夢の共有が鍵となる。

○チャレンジ力

人が物事を達成しようとするには、その人を突き動かす動機が必用。冒険家にパッションがあるのと同じで、パッションがなければ冒険家にはならない。

未来組織のリーダーはここを大切にする。PDCAサイクルの全てのプロセスに組織が共有できる動機を大切にする。動機がはっきりしていれば、チャレンジ精神を生む、それを育てることが出来るのかが、リーダーの条件となる。

○成果執着力

 イノベーションとは社会に新たな価値を生み出す作業です。社会にイノベーションをもたらす人は、自らのイノベーションにも成功する。イノベーションは内と外に相互に働き、人を更に自発的な能力の高いイノベーターへと成長させていく。

○連結力

 企画力、調整力、連結力。とかく、変革、改革はいつも困難を伴うものです。安易な妥協は結果的には連結力を弱める。妥協がなさすぎると、調整することが難しい。企画の段階から、対話を重視しておきたい。

○社会共感創造力

 人は社会的な生き物です。人は自らの中に社会があり、社会の中に自らがいる。

 Imagine no possessions
I wonder if you can
No need for greed or hunger
A brotherhood of man
Imagine all the people
Sharing all the world

ジョン・レノンのイマジンの一節です。

 

・・・・・・・

7】一次・二次・三次という重症度による医療供給体制のみならず、脳卒中、虚血性心疾患や、精神科救急を含めて、病態別のネットワークを広域で構築する。

 

製鉄記念広畑病院の姫路救命救急センターは兵庫県・姫路市の要請と姫路市医師会の推薦を受け、2013年3月に「製鉄記念広畑病院姫路救命救急センター」を開設した。兵庫県においては初めての民間病院併設型の救命救急センターとなる。救急医療の分野においては姫路市の準市民病院として、中・西播磨の救命救急センターの役割を担っている。

 病院ホームページではER型の救命救急センターとして紹介されている。

 受け入れ対象患者は以下のようになっている。

・ 厚生労働省の定める基準に従い、重篤あるいは緊急度の高い患者を優先して受け入れる。(呼吸・循環・意識に異常があり、迅速な治療を要する場合や多発外傷・薬物中毒などの外因性患者など)

  →厚生労働省が作成した重篤救急患者の基準 (PDFファイル72KB

・ センターの救急外来や入院病棟の状況により受け入れ可能な場合は中等症以下の患者も受け入れる。

・ 地域内で発生した収容困難患者は可能な範囲で受け入れる。

・ 中長期的にマンパワーが確保され、診療体制が整備されれば、軽症救急患者・多数の独歩来院も多数受け入れられる事を目指す。

 

以上

 

マンパワーが確保されれば、本来のER型救命救急センターが約束されている。

 救急医療センターとしてER型救急が全国各地で運用されてきているが、各地共通する最大の問題は医師の確保である。従来の集中治療に特化した救命救急科の医師養成とは異なり、総合診療科的な医療知識・技術を備えた医師が必要となる。しかし、ER型救急に必要な医師の養成が進んでいない。建設が予定されている新県立病院においても、ER型救急の医師の確保については不安が付きまとう。

 救命救急センターの医師が24時間365日での勤務をすることを想定して、必要な医師の救はどのようになるだろうか。常時1名の医師を配置すると、その適正な勤務時間を勘案すると、5名の医師が必要となる。すなわち、常時3名の医師を配置するならば、15名の医師が必要となる。

 広畑病院の姫路救命救急センターの医師はH28年1月末時点で7名(循環器科を兼ねている医師がいるため、実質6名)。必要なマンパワーに9名足りないことになる。救命救急センター長の中村雅彦医師は、本年1月14日に市議会会議室で行われた市議会議員対象の救急医療勉強会で「救命救急センターに15名の医師が揃うと、姫路の救急医療問題の大半の課題が解決される」と言われた。姫路が抱える問題も、全国各地の最大の問題も同じところにあった。医師を確保することが緊急を要する最大の課題であったのだ。医師を確保する地域ぐるみの取り組みを最優先することを前提に、ER型救急施設への過度の患者の集中と救急車搬入を緩和するには、二次輪番制病院群とのダブルラインが妥当な供給体制と言える。

しかし二次輪番制にも危機が訪れている。軽症患者の不適切な利用をけじめ、医師・看護師・コメディカルの不足と輪番制を担う経済的裏付けが希薄なこと、医師にとっては専門外診療に対するリスクマネジメントから、総合診療科的な夜間診療に対する拒否傾向が強いことなどがある。輪番制維持に様々な取り組みが考えられるが、病態別のネットワークを広域で編成されることでも事態の緩和が多少は図られる。

いずれにせよ、救急医療体制は、きわめて重要なセーフティーネットとしての社会基盤であって、自治体の総合力が問われているという象徴的な存在となっている。

 

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姫路の救急医療を守る市条例試案 6
JUGEMテーマ:社会問題

姫路の救急医療を守る市条例試案 その6

医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会

 

医療政策集中講義〔編 東京大学公共政策大学院 医学政策教育・研究ユニット 医学書院〕のChapter2 改革の最前線、“Section2 患者・住民主体の医療”地域の医療を最適化するために(論者 埴岡健一)を読んでいて、興味深い二つの表が現れた。2回にわたって紹介したい。

 

2-1 患者・住民参画が必要な7つの理由

 

1.基本的な権利

 日本国憲法にある国民の生存権(25)、幸福追求権(第13条)から、一定以上の適切な医療を受ける権利かあると考えられます。

2.医療消費者としてのチェック機能

 保険加入者として保険料を支払って、医療を購入している立場にあります。医療のコンシューマー(消費者)であり、カスタマー(顧客)として、医療の質などをモニターする立場にあります。

3.納税者としてのチェック機能

 医療保険、医療機関の建築整備、医療従事者の育成等、医療には多額の税金が投入されています。納税者として税金が適切に投入され、十分な効果を発揮しでいるかチェックする立場にあります。

4.住民・患者の医療政策策定への参画の責務

 政府の医療計画やその策定ガイドラインに、患者や医療消費者が政策決定プロセスに参加する役割があることが記載されています。

.社会からの期待

 国民の医療への不満の対象は、医療政策決定プロセスの市民参加の不十分さであり、国民は、医療政策の決定は市民代表・患者代表が主導すべきと考えています.

.当事者からの参画の希求

 患者団体、患者関係者が政策決定プロセスの全体に参加したいとの強い希望が高まっています.

7.社会にもたらす効用

 患者アドボケートはすでに法律制定、条例制定、施策策定、予算確保、資金集めなどに活躍し、社会に成果と効用をもたらしています。

 

出典:日本医療政策機構市民医療協議会。患者アドボカシーカレッジ「O-1アドボカシー(政策変革活動)とは」より一部改変

 アドボカシーとは(政策提言/権利擁護)をすること、する人のことです。

 

私は上記のように考えて活動をしたことがないので、よい勉強になりました。私は姫路の街も人も大嫌いなので、少しでも好きになれるような街にしたい、と思って活動をしているだけです。このように四角四面に考えるケンちゃん(埴岡健一)の、隣に住んでいる彼のお母さんからは、私は未だにタカヨシちゃんと呼ばれています。

 

 

姫路の救急医療を守る市条例 を策定するための 条例試案 6

 

【6】 姫路市救急医療情報センターを設置し、そのデータバンクとしての機能を強化することに努め、かつ登録義務のある実効性のあるものにする。情報センターでのデータは施設名を匿名で開示を行い、データをもとに各病院の救急医療診療部門の連携の在り方について話し合う。

 

阪神・淡路大震災においては、情報の重要性が認識された。同年3月の「主な教訓」から5月の緊急提言。翌年5月から各災害医療対策事業が進められている。

 情報の重要性から、広域災害救急医療情報システムの整備が進められた。

 災害時、被災地内外の医療機関の情報を共有し、医療関係団体、消防本部、保健所、市町村行政機関が、有効な災害医療対応を実施することを目的として、都道府県が導入している。

 表8−3厚生省による「あり方検討会」では「地域単位での強化」を強調している。ここでいう地域単位とは二次救急医療圈もしくは保健所の所轄管区としており、この単位における情報ネットワークの確立を重視している。

国や県による取り組みはあるが、それを強化する地域単位の取り組みは、残念ながら姫路にはない。情報システムの耐震化が疎かになっていると言わざるを得ない。

 表8−4「局長通知」にも示されているように、救急医療とは一種の危機管理システムであり、災害時の救急医療情報は日常に整備されている救急医療情報システムの充実度に依拠する。したがって、救急医療の現場が求める医療情報の種類や、システムの機能や性能等を調査・検討するとともに、救急医療の実態に即した高度医療情報伝送システムの導入は緊急を要する。

 すでに整備されて使用中の情報インフラである”阪神医療福祉情報ネットワークシステムむこねっと http ://www.mukonet.org/ 等も大いに参考にしなければならない。

 


posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 地域リーダーの会 | 07:36 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
姫路の救急医療を守る市条例試案 4,5
JUGEMテーマ:社会問題
姫路の救急医療を守る市条例試案 その4、5
医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会
 
今日の午後に自宅の前で交通事故が発生した。車からは煙が発生し、運転手は蹲ったままだった。間もなく救急車は到着したが、振替休日であったこともあり、受け入れ先が決まらないようで、救急車が走り出すのに時間を要していた。
私の知り合いが交通事故に巻き込まれた時のことですが、姫路で受け入れ先がなく神戸にまで運ばれていた。家族の驚きようが今でも目に浮かびます。
 
平成27年の姫路市消防局の資料で、交通事故による基幹病院への救急搬送件数は1年間で、製鉄記念広畑病院救命センターが441件、A病院が158件、B病院が151件、C病院が150件となっている。基幹病院なので軽症者は運び込まれていないと思います。
 
持続可能な救急医療のあり方を考えてみる。簡単に三つの視点をあげると、住民の満足度、医師や看護師等のスタッフの確保、財政支援が持続可能性に大きく影響する。
住民の満足度がなぜに必要なのか?救急医療の充実に住民の協力が欠かせないからです。
救急医の確保は最も重要なことです。救急医以外の医師は救急を繁雑でリスクの高いものと敬遠する傾向がみられることもあるので、救急は救急医であることが望まれる。
救急は現在の診療報酬上の仕組みでは赤字にならざるを得ない(医師が一生懸命に患者の為に仕事をすればするほど赤字になる)ので地方自治体の財政支援が必要となる。
姫路市で直ぐにでも取り組めることは、住民の協力と財政支援であるだろう。残念ながら、救命センターへの住民の協力もなければ、財政支援は1億円ほど足りない。
 
持続可能性に欠かせないものが、もう一つある。それは地域戦略パートナーシップです。今回はそこを述べています。
 
 
姫路の救急医療を守る市条例 を策定するための 条例試案 4
 
【4】  軽症患者、特に、“コンビニ”感覚で受診する患者が二次医療機関に殺到することを防ぐために、行政を含めて組織的に、市民に対して救急受診に関するルールとマナーの啓発・教育を徹底して行う。
 
 地域医療を守るための啓発・教育が必要であることは言うまでもない。
 救急医療は地域が責任をもって24時間体制で医療の提供をしなければならない。しかし、厳しい時間的・空間的制約をともなうため、医療資源を効率的に利用できない非経済性がある。救急医療は排除性や競合性を認める市場原理主義は成り立たず、公共財であることへの認識が必要。この公共財をいかに守っていくか、それは地域において戦略的なパートナーシップを形成し取り組まなければならない。
 
以下の文章を参照してほしい。
 
住民主体の地域福祉論 理論と実践 井岡勉 監修 牧里毎治・山本隆 編 法律文化社
 
第1部 地域福祉の視点 より 47p〜48p
◎地域戦略パートナーシップの展開
 地域戦略パートナーシップ(以下,LSPという)は,政府文書『近隣地域再生への新たな確約一国家戦略行動計画』で指示されており,地方レベルにおいて公的,民間営利,コミュニティとボランタリーセクターが共同してコミュニティの再生に取り組むことを目的としている。それは行政が独自で行う施策ではなく,多くのエージェンシー機関が中心となる。
 パートナーシップは,参加するプレーヤーは効果性と代表性を発揮しており、地域再生を促すために優先策が共有化され,LSPの目標に向けてマネジメントシステムが構築され,官僚制が縮小されるという政策基準にもとづいて活動を展開していく。
 LSPの核となる目標は,以下のとおりである。
 パートナーシップを制度化し,コミュニティ計画を通して持続可能なコミュニティ戦略に対する確   約を掲げる。
 LSPと持続可能なコミュニティ戦略を推進する際,地方自治体のメンバーを含めた地方自治体の役割を拡大する。
 持続可能なコミュニティ戦略,近隣地域再生戦略,地域エリア協定(LAA),地域開発枠組みを通して,協働活動における優先事項に対してアカウンタビリテイを担う(地域開発枠組みは,持続可能なコミュニティ戦略のための土地利用供給プランである)。
  • 地域の参画を促し,地域とパリッシュカウンシルの視点から地域のサービス供給と支出に影響を与える。
  • パートナーが相互に責任を問い.地域住民がパートナーシップに責任を問えるように,ガバナンスと査察の協定を締結する。
 
 地域医療は、地方自治体を中心に戦略的パートナーシップを形成して、持続可能なものとする。その評議会は地域住民から公共性の観点から評価を受け、地域住民への説明責任がある。と、考えられる。
 
 
姫路の救急医療を守る市条例 を策定するための 条例試案 5
 
【5】医療施策推進室で開催された会議にて、必要とした情報インフラの整備は、健康福祉局を中心とした行政組織全体の責任で整備を行う。
(会議とは姫路市医療連携推進協議会、および姫路市救急医療再生特別審議会)
 
【4】での“地域戦略パートナーシップ(以下,LSPという)の展開”から地域医療活性化に取り組むにあたって、次のようなことが考えられる。
“地方レベルにおいて公的,民間営利,コミュニティとボランタリーセクターが共同してコミュニティの再生に取り組むことを目的としている。それは行政が独自で行う施策ではなく,多くのエージェンシー機関が中心となる。”
 
地域医療の活性化の目的において行政、医師会、基幹病院と中小病院や診療所、介護施設、自治会やボランティアと共同して『医療施策推進室』での会議を設ける。
 
“パートナーシップは,参加するプレーヤーは効果性と代表性を発揮しており、地域再生を促すために優先策が共有化され,LSPの目標に向けてマネジメントシステムが構築され,官僚制が縮小されるという政策基準にもとづいて活動を展開していく。”
 
会議に参加するプレーヤー・ステークホルダーは地域医療活性化を促すために優先策が共有化され、地域の医療施策推進の目標に向けてマネジメントシステムを構築する。行政機関の独善は避ける。
 
“ .僉璽肇福璽轡奪廚鮴度化し,コミュニティ計画を通して持続可能なコミュニティ戦略に対する確約を掲げる。”
 
医療施策推進室は持続可能なもので、しかも役割が制度化されること。そして参加するプレーヤーの連携によって獲得された取り組みを、政策として実行するものであることを確約したものでなければならない。
 
“◆LSPと持続可能なコミュニティ戦略を推進する際,地方自治体のメンバーを含めた地方自治体の役割を拡大する。”
 
医療施策推進室での地域医療活性化の戦略を推進する際、市民の次に大きな権限を持つ市長が主導する医療施策推進室であること。
 
“ 持続可能なコミュニティ戦略,近隣地域再生戦略,地域エリア協定(LAA),地域開発枠組みを通して,協働活動における優先事項に対してアカウンタビリテイを担う。
 
地域救急医療活性化においては、救命救急センターを中心に地域の救急担当医とのパートナーシップにより活性化の戦略を図り、限りある医療資源を有効に使うものでなければならない。地域医療活性化の協働活動における優先事項に対して、医療施策推進室は説明責任を担う。
 
“ぁ|楼茲了臆茲鯊イ掘っ楼茲肇僖螢奪轡絅ウンシルの視点から地域のサービス供給と支出に影響を与える。”
 
広域での参画を促し、各地域は医療サービス供給に見合った費用を支出する。
 
“ァ.僉璽肇福爾相互に責任を問い.地域住民がパートナーシップに責任を問えるように,ガバナンスと査察の協定を締結する。”
 
医療施策推進室の会議に参加するパートナーは相互に責任を問い、その責任が果たされているかということに地域住民は公共性の観点から評価し、主導する市長と参加者に責任が問えるしくみにしなければならない。
 

 
posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 地域リーダーの会 | 20:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
姫路の救急医療を守る市条例試案 2,3
JUGEMテーマ:社会問題
姫路の救急医療を守る市条例試案 その2、3
医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会
 
 数日前の早朝に81歳の母が体調の異変を訴えた。親しい医師を頼ることなく、通常に対応したところ、幸いにして3件目の病院で受け入れ先が決まった。
姫路市消防局の資料で、救急隊による受け入れ交渉を5回以上要した事例は平成27年1年間で960件ある。平成28年は3月から急増しているので、1200件以上になると思われる。今後は更に増えることがあっても減ることはない。
平成27年の姫路市消防局の資料での“救急隊による病院への受け入れ紹介回数と件数”
1回 17275 。 2回 3191 。 3回 1405 。 4回 766 。 5回 437 。 6〜10回 471 。 11回以上 52 。
驚くなかれ、何と、24回まである。
 家族や親しい者が倒れた時に救急医療の重要性を知るようでは、想像力が貧困過ぎる。
 
条例試案2と3は市長の役割と責務をのべたものです。
 
姫路の救急医療を守る市条例 を策定するための 条例試案 2
 
2 ●姫路の救急医療を守る市条例を市長が主導して、救急医療再生緊急特別審議会で検討し、策定する。市長は姫路の救急医療の崩壊を避けるために、救急医療の適正利用の教育の実施、医療施設の整備等必要な施策を講ずるものとする。●市長は,市民の急病,事故等に対して迅速かつ適切な医療を確保するため,救急医療体制の整備充実に努めるものとする。●市長は、市民・地域住民の命を守る使命を全うするために、救急医療の機会均等を確保し、救急医療再生緊急特別審議会で策定された条例に基づいた取り組みを行うことに努めるものとする。
 
神戸市には平成12417日施行された、神戸市民の福祉をまもる条例がある。
冒頭の附則の後半部分を引用する。
附則
・・・・・市民の福祉は,市がその責務を積極的に果たすとともに,市民が地域社会の一員としての自覚と相互の連帯を強め,また,事業者にあっても地域社会と密接な関係にあることを認識し,一体となって市民福祉の向上に寄与するよう応分の努力をすることによってもたらされるものである。
このような認識に立って,福祉都市を実現することは,今日に生きるわたしたち市民のためのみならず,明日に生きる後代の市民のためにも,わたしたち市民が果たさなければならない責務であると確信する。ここに,わたしたち市民は,ともに力を合わせて,この愛する郷土に誇り高き福祉都市を建設することを決意し,市民の総意に基づき,この条例を制定する。
 この条例の第14条には以下のように書かれている。
 (健康施策の実施)
14条 市長は,市民がすすんで健康の増進を図ることができるよう健康教育の実施,健康増進施設の整備等必要な施策を講ずるものとする。
2 市長は,市民の疾病の予防を図るため,性,年齢,地域の特性等に応じた保健指導,健康診断体制の整備等を行うものとする。
3 市長は,市民の医療の機会均等を確保するため,公的及び私的医療機関の有機的かつ計画的な整備に努めるものとする。
4 市長は,市民の急病,事故等に対して迅速かつ適切な医療を確保するため,救急医療体制の整備充実に努めるものとする。
 
 延岡市は全国に先駆けて、「地域医療を守る条例」を制定した。姫路市議会でも視察をするに至ったが、その内容に大いに疑問を持った当会はこれを地域に必要とはしなかった経緯がある。その理由は行政の責務が具体的な対策として盛り込まれていない。市民に対して「役割を守らせること」と「意識を変えること」、『コンビニ受診を減らせ』『医療資源は有限』は必要な啓蒙ではあるが、実態は「市民に役割を守らせる」ためだけのものであった。緩やかであっても行政に強制力が必要な事項もある。理念だけでは解決も難しく、より具体的な対策と責任の所在を明らかにすることが必要だと考えるに至ったことによる。
 姫路市には市民病院がないために非市民病院へ医療を託している。市は託している病院を守り、市民に公平な医療を提供する責務がある。救急医療を守る市条例は必須のものである。
 
 
姫路の救急医療を守る市条例 を策定するための 条例試案 3
 
【3】  姫路市救急医療再生緊急特別審議会は市長直轄とすることが望ましい。市長は審議会の答申の内容を反映した政策を実行する。市長が主導するための実務組織として健康福祉局に医療施策推進室を設ける。
   ○救急医療、小児医療、周産期医療、高齢者福祉は住民の暮らしの根幹にあり、市政運営の質を総合的に向上させる基礎となる。市政に対する市民の満足度を高め、まちを活性化させ、魅力あるまちを市民と共有するためにも、市長主導とする。
   ○緊急を要する最重要課題は医師の確保であり、市長は医師確保に尽力することを責務とする。
   ○医師を増やすための、大学や兵庫県健康福祉部医務課への陳情・交渉団の結成、大学への寄付講座の工夫、行政からの医師に対する優遇措置などを、継続的に実施していく。
 
市の代表者である市長の役割・責務 。(神奈川県横須加市より)
市長は、市の代表者として、長期的な視野に立って、公正な市政運営に努め、市民の生活の質を維持・向上するために最大限の努力をするものとする。
市長は、市政の企画、協議、決定、実施、評価のすべての段階について、市民に分かりやすく公表し、市政の透明性を確保するものとする。
市長は、市民生活、市民活動、地域活動等の実態を把握するとともに、市民の意見をよく聴き、積極的に対話するものとする。
市長は、経済、環境、子育て、教育、福祉、安全、防災等の市政の重要課題について市民相互で話し合う機会を設けるとともに、公益性・公平性を踏まえたうえで、市民による課題解決のための活動等を支援するものとする。
 生活の質(QOL)とは、人間らしく、満足して生活しているかを評価する概念です。この概念は医療の歴史とともに発展してきたものであることを見ておかなければならない。市民の生活の質を向上させるためのPDCA(Plan・計画−Do・実行−Chec・評価−Act・改善)サイクルがうまく回っているかは、市民が評価をするものだろう。透明性は当然。
市政の重要課題はQOLの「幸福」と深く係るものである。心身の健康、良好な人間関係、やりがいのある仕事、快適な住環境、十分な教育、趣味や余暇の充実 等。つまり、生活の質(生きる喜び)を支える医療は、市政の質(市民の喜び)の根幹と言える。
 住民にとって暮らしやすいまち、働きがいのあるまち、魅力あるまちは、医師にとっても暮らしやすいまち、働きがいのあるまち、魅力あるまちでもある。
 地域が医師を確保する為に、さまざまな取り組みがある。高額年棒を提示して医師を獲得しようとしている地域や、医師用住宅を用意する地域や、その地域に一定期間住むと契約した医師に研究費名目で数百万円を支給する地域がある。地域の医師獲得合戦は熱を帯びているが、最も大切なことは、今、この地で地域医療に貢献されている医師のQOLを保障すること。このことなしに、新たな医師の獲得もないことは言うまでもないだろう。医師が過酷な勤務状況にあることは地域の恥である。
 市民が最も望む医師の姿とは、仕事に働きがいを見出している医師であるだろう。したがって、医師獲得は、医師が働きがいを感じる地域であること、働きがいのある病院とするための地域一体となった支援をすること、ここが一丁目一番地となる。
 
 
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姫路の救急医療を守る市条例試案 1
 

姫路の救急医療を守る市条例試案 その1

医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会

 

 姫路の救急医療は、救急医の信じられないほどの過酷な勤務で、かろうじて支えられている。私たちの暮らしの底支えをしている救急が、救急医の犠牲の上に成り立っている。

 姫路の救急医療が綱渡りの危うい状況にあることから、当会では、姫路の救急医療を守る市条例試案を作成した。

 平成28年1月14日に姫路市議会議員を対象に救急医療の勉強会が開かれた。

“姫路の救急医療の現状と課題” 講師 中村雅彦医師(製鉄記念広畑病院 姫路救命救急センター センター長) 市議会会議室 13時〜15時 参加者31名

  

勉強会を受けて、必要と思われたことは、

姫路の救急医療を守る市条例が必要なことと

姫路市救急医療再生緊会特別審議会を発足させなければならないことでした。

 

 2月19日に条例試案は関係各位に配布され、これから検討が始まる。この条例試案が実現しなければ、姫路の救急医療は間違いなく近いうちに崩壊することになる。当会の責任が重大であることを会員諸氏は重く認識をして取り組んでいます。

 

 数回に分けて皆さんに紹介しておきます。

 

 

【1】        姫路市救急医療再生緊急特別審議会(仮称)を行政主導で発足させるとともに、市の救急医療が充実したものになったと、メディカルコントロール協議会代表が認めるまで、行政が責任をもって運営していく。姫路市救急医療再生緊急特別審議会(仮称)の運営は、市の組織の中に医療行政に特化した部署を創設し担当する。その後、姫路市救急医療再生緊急特別審議会(仮称)はその成果を活かし姫路市救急医療連絡協議会に引き継ぐものとする。

 

 救命救急センターには現在、高度救命救急センター、救命救急センター、新型救命救急センターの3種類がある。全国各地の取り組みで救命救急センターは増加しているが、救急医の育成はこれに追い付いていない。したがって全国各地の救急医の獲得競争も、より熱心なものになっている。全国各地の自治体は地域の住民の命を守る使命を全うするために、医療者や住民と地域一体になって救急医療の充実に立ち向かっている。しかし、姫路においては行政機関の怠慢によって、医師不足の状況に陥ってしまい、医療現場に孤軍奮闘の過酷な労働を強いることになった。直ちに対策をとらないと、“助かるべき命”が失われていく危険性が高まっていくことになる。救急医療は市民の命に直結する最前線にあり、その崩壊は許されざるものである。姫路市においては思い切った投資または財政処置が緊急に求められる事態にあることを認識し、具体的な取り組みを必要とする。

医療という限られた社会資本を有効に活かすためには、医療に対する適切な予算計上や医事紛争・クレームの増加への対策、医師の労働環境・待遇の改善といった根本的な解決を図るとともに、緊急を要する短期的対策が必要。市は地域住民の命を守る使命があり、その責務を完遂しなければならない。救急医療の崩壊は地域住民にとって、大きなダメージとなることを肝に据えて取り組まなければならない。

 

姫路の救急医療を守る対策としては、


    対策のための救急医療再生緊急特別審議会を立ち上げる。

 

    姫路の救急医療を守る市条例を救急医療再生緊急特別審議会で検討し、策定する。

 

 

    医師を増やすための、大学や兵庫県健康福祉部医務課への陳情・交渉団の結成、大学への寄付講座、行政からの医師に対する優遇措置などを、継続的に実施していく。

 

    軽症患者、特に、“コンビニ”感覚で受診する患者が二次医療機関に殺到することを防ぐために、行政を含めて組織的に、市民に対して救急受診に関するルールとマナーの啓発・教育を徹底して行う。


    医療情報を共有化し、医療機関の連携を円滑に進めるための情報インフラの整備をする。

 

    姫路市救急医療情報センターを設置し、その機能を強化することに努め、かつ実効性のあるものにする。情報センターでのデータは開示を行い、データをもとに各病院の救急医療診療部門の連携の在り方について話し合う。

 

 

    一次・二次・三次という重症度による医療供給体制のみならず、脳卒中、虚血性心疾患や、精神科救急を含めて、病態別のネットワークを広域で構築する。

 

    救命救急センターの空床確保を容易にするために、後方病院の確保を行政の立場からも整備する。

 

 

    高齢者救急医療の見直しとルール作成を、地域全体で進める。

 

    重症の救急患者を収容する医療機関はその不採算性のために維持が困難であり、財政的なバックアップが必要。

 

 等が考えられる。

 

posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 地域リーダーの会 | 10:17 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
新県立病院と姫路の医療再編 6
JUGEMテーマ:社会問題
医療と介護の問題に取り組む地域リーダーの会

当会は新県立病院の成功を望んでいます
ここに、皆さんと話し合う場を設けたいと考えています。
 
「姫路における県立病院のあり方に関する検討報告書(素案)資料5」には決定的な欠陥がある。
地域医療構想を策定するには、地域別の人口変化を分析し、将来の疾病構造を推計し、地域別の必要病床数の推計を行い、あるべき医療提供体制の実現に向けた取組を推進することになるのですが、その将来に必要な病床数の推計がない。推計がないので、目指すべき地域の実情にあった医療提供体制構築のビジョンも指針もない。つまり、地域における将来に必要な医療提供体制を鑑みた県立病院の役割が示されていない、ということです。これから作る病院は将来予測において計画してもらいたいものです。更に、地域における役割分担が示されていないので、地域の医療施設との連携のあり方も不透明なままです。
 
地域医療構想の策定プロセスは以下のようになっている。
 
1地域医療構想の策定を行う体制の整備
  地域医療構想調整会議は、地域医療構想の策定段階から設置も検討
2地域医療構想の策定及び実現に必要なデータの収集・分析・共有
3構想区域の設定
  二次医療圏を原則としつつ、
人口規模、患者の受療動向、疾病構造の変化、基幹病院までのアクセス時間
等の要素を勘案して柔軟に設定。
 4構想区域ごとに医療需要の変化
   機能(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)毎に医療需要を推計
 5医療需要に対する医療供給(医療提供体制)の検討
  高度急性期・・・他の構想区域の医療機関で、医療を提供することも検討
(アクセスを確認) 
  急性期・・・一部を除き構想区域内で完結
  回復期、慢性期・・・基本的に構想区域内で完結
               
「姫路における県立病院のあり方に関する検討報告書(素案)資料5」の<目次>を見てみたい。
 
はじめに
1中播磨・西播磨の現状と課題
2県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の現状と課題
3新病院に必要な診療機能
4整備場所
5両病院統合の進め方
6最後に
 
2014年6月に成立した「医療介護総合確保推進法」を受けて、2015年3月に示された「地域医療構想策定ガイドライン」から、報告書を作成するならば、以下のような構成にならなければならない。
 
はじめに
1 中播磨・西播磨における、
「地域医療構想策定ガイドライン」に沿った、医療提供体制の現状と課題
2 県立姫路循環器病センターと製鉄記念広畑病院の現状と課題、
並びに、地域基幹病院の現状と課題から、検討されるべき地域医療連携のあり方
3 地域の2025年、2040年の医療需要の推計から推測される、
新病院に必要な診療機能
4 整備場所の検討は、姫路市に委ねる
5 両病院統合の進め方と、地域の医療機関相互の協議のあり方
6 最後に、質の高い医療を効率的に住民に提供するための
新県立病院のあり方について。
 
 というのが本来の検討のあり方です。
 
以下のような文章がある。
医政発 0330 28 平成 24 3 30  
各都道府県知事 殿 
厚生労働省医政局長 
医療計画についての文面の1.にはこう書かれてある。
1 医療計画の作成について
医療計画の作成に当たっては、指針を参考として、基本方針に即して、かつ、医療提供体制の現状、今後の医療需要の推移等地域の実情に応じて、関係者の意見を十分踏まえた上で行なうこと。
 
● 関係者の意見を十分踏まえたものでなければならない
 
医療計画作成の趣旨にはこう書かれている
  • 誰もが安心して医療を受けることができる環境の整備が求められている。
  • 生活の質の向上を実現するため、患者数の増加の状況も踏まえつつ、これらに対応した医療提供体制の構築が求められている。
  • 地域の医療機能の適切な 分化・連携を進め、切れ目ない医療が受けられる効率的で質の高い医療提供 体制を地域ごとに構築する
  • 医療計画における政策循環の仕組みを一層強化することが重要となる。医療機能を明確にした上で、地域の医療関係者等の協力の下に、医療連携体制を構築する
  • 地域の医療機関ごとの機能分担の現状を理解し、病期に適した質の高い医療を受けられる体制を整備することが求められている
  • 医療計画の作成に際して、医療や行政の関係者に加え、患者(家族 を含む。以下同じ。)や住民が医療の現状について共通の認識を持ち、課題の解決に向け、一体となって協議・検討を行うことは今後の医療の進展に大きな意義を有するものである
  • 患者・住民の意見 を反映させること
 
 「姫路における県立病院のあり方に関する検討報告書(素案)資料5」は以上の視点において、多くの点で不十分です。真摯な取り組みを期待したい。
 
 姫路は姫路での自主的な協議によって、姫路の実情を勘案した客観的で説明可能な「姫路における地域医療構想」を策定し、県に提出する必要がある。
 国は消費税増税の一部を地域医療介護総合確保基金とすることにした。県は基金を設け、医療機能の分化・連携の推進、医療従事者の確保・養成、在宅医療の推進や介護サービスの充実等の事業の経費に充てる。その費用の3分の2が消費税分となる。
 地域における、医療政策が重要な時代に入るのです。地域医療構想で地域の医療が活性するか否かは地域の取り組み次第ということになる。地域の実情を細分にまで分析し、積上げる取り組みがあってこその地域医療構想であることを、市長は認識しなければならない。
 新県立病院建設を期に「姫路における地域医療構想」を協議する必要がある。
 「姫路における県立病院のあり方に関する検討報告書(素案)資料5」が多くの点で不十分で、決定的な欠陥が認められるのは、姫路市に協議の必要性を認める、時代を読み取る目がないからであるのだろう。
 一方で、姫路の公立・公的病院は「地域医療構想を踏まえた役割の明確化」によって、病床再編の見直しが迫られている。「姫路における県立病院のあり方に関する検討報告書(素案)資料5」には県立病院の病床計画しか記載されていないので、県立病院の病床だけが守られて、既存の病院の病床が削減されるのではないかということも危惧される。検討報告書は県立病院だけを優遇している、としか捉えられない。これは許されざることであり、「姫路における地域医療構想」策定に支障をきたす、大きな要因となるだろう。
 
 もう一つ考えられることは、「姫路における県立病院のあり方に関する検討報告書(素案)資料5」が多くの点で不十分で、決定的な欠陥が認められるのは、県職員の意図的なものである可能性もある。「地域医療構想」を文面に持ち出すと、「地域医療構想」に理解を示さない医師会や民間病院の反発が県立病院計画へ及ぶことを避けた、とも考えられる。しかし「地域医療構想」は理解を示さない状況で導入されれば、生煮えの構想となり、地域住民に「病床を削減するだけ」のものとなり、地域包括ケアシステムも画餅になる。地域住民に大きな犠牲を強いることになるので、今のうちに話し合いの場を用意しておかなければならないことを自覚して、当会の提案する姫路医療連携推進協議会の設立に協力することが賢明な判断だと提言しておきたい。
 
 ここでもう一度述べておきたいことは、前回のブログでも述べたように、姫路南西部には急性期病院を残さなければならない。
 今後地域包括ケアの整備が進められますが、在宅実践家が指摘するのは非がん系の対応の難しさです。非がん系は死期の予測が困難であるだけでなく、急性憎悪を繰り返すことが少なくない。入院の可否の判断や受け入れ病床の確保を含め、適切な医療と介護の確保が重要となる。在宅医療は急性期医療の問題とも深く関わるものです。
姫路南西部は生産年齢人口も多く、高齢者人口も増えてくるので、救急需要や必要病床数は増加していく。広畑に残される病院が慢性期の病院であっては、地域での近い将来における疾病構造への対応は難しい。疾病によっては医療機関での治療開始時間が予後に大きく影響するので、急性期病院がなくなることは地域住民にとって大きな不利益となる。
 
 これまで4回のブログは
「姫路における県立病院のあり方に関する検討報告書(素案)」から、姫路における地域医療構想のあり方を考える。
 という文章の下書きとして書いたものです。ブログの文章から加筆修正して、関係各位に渡されています。
 
 
posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 地域リーダーの会 | 16:17 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
新県立病院と姫路の医療再編 5
JUGEMテーマ:社会問題
2016年3月9日
当会は新県立病院の成功を望んでいます
ここに、皆さんと話し合う場を設けたいと考えています。
 
“新病院整備候補地について(事務局案)”という資料がある。“姫路における県立病院のあり方に関する検討委員会”の事務局からの案です。
 
この資料から当会の考えを述べてみたい。 その3
 
(3)留意事項
 ‥該敷地は姫路市が誘致を進める高等教育・研究機関との併設が前提であることから、姫路市と十分に連携を図ること。
◆\鞍後間もない現製鉄記念広畑病院の建物を活用した播磨南西部地域の医療提供を確保するため、地元姫路市の協力を得て、県及び社会医療法人製鉄記念広畑病院の両者において医療機関の誘致を図っていくこと。
  その際、まずは、医療圏域内に病床を有する病院の移転誘致に注力し、それが不可能な場合は、圏域外からの誘致を図っていくこと(ただし、圏域外からの誘致の場合は、新たな病床の確保が必要なため、中播磨圏域健康福祉推進協議会等と協議の上進めていく必要がある)。
 想定される外来患者数等を踏まえ、立体駐車場や地下駐車場なども活用し必要な駐車台数の確保を図ること。
  
  • ,諒幻世砲楼穗卒兇ある。県の計画に市は従え、というように読める。「姫路市と十分に連携」ではなく「姫路市と十分に協議する」ではないでしょうか。文言の端々に見える県の高飛車な態度が気になるところです。将棋ファンの私としては、横歩取り超急戦を仕掛けられているような気がします。
  • △禄斗廚陛世任后
122日に、講師に姫路医療センター院長の望月吉郎先生を招いて、市議会自民党会派の主催で市議会会議室にて勉強会が催された。「姫路の医療と医療センターの役割」というテーマで会派の壁を越えて、議員の3/4にあたる30名が参加した。他、市民3名の中に私も参加しています。
勉強会は以下の内容で進められた
 
 中播磨の医療
 
・姫路には36の病院がある
・市民病院なし、大学病院なし。
・総合病院なし。お互いに住み分けて、機能している。
・病院の場所もバランスがとれている。
 
・姫路の救急医療はきびしい。
1)救急を行っている病院は、数すくない。
2)救命救急センターに行かないで、輪番当番の病院に患者が来る。
 
・医師の総数が少し足りない
・内科では、腎臓内科・血液内科・膠原病内科が足りない。
 
・実験的に、5年間に限り中播磨地区の研修医定員を増加させてみたらどうだろうか?
以上
 
 姫路には市民病院はなく、大学病院もなく、総合病院もない。しかし、姫路の五つの基幹病院は協力関係を重視して、患者にとってもバランスよく(場所的なことも)機能している。
 病床の機能分化と連携は、姫路市医監の認識(市議会答弁)とは違って、院長同士の話し合いが持たれている。
現状の大きな問題点は救急医療が厳しいことと医師の数が足りないこと、という指摘がなされた。
そして、勉強会の半ばには、以下のような指摘がありました。
「新県立病院の場所については、姫路南西部海岸線に急性期病院がなくなることは地域住民にとって大きな不利益となるので現在の製鉄記念広畑病院の場所が適当。」「新県立病院がキャスティ21イベントゾーンに決まった場合に、広畑に残される病院が慢性期の病院であっては、地域住民の不利益であることに変わりはないので、急性期病院でなければならない。」「慢性期と急性期では必要な医師の数もスタッフも設備もまったく違うものとなります。」とのことでした。
市にそのような病院を用意できるはずもなく、県は新県立病院で手一杯となるので余裕はない。市の能力や県の現状を考え併せて、現実的に広畑に急性期病院が残る可能性はない。
 診療報酬の引き下げと消費税増税による病院損税の拡大で、中小病院の経営難は深刻化している。中小病院は病院を存続させるために、手術数を減らし、救急を受け入れなくなっている。大病院に術数が増えているのも救急が集中しているのも、高齢社会が原因であるばかりではなく、中小病院の経営難によるものも大きい。民間中小病院を圏域外から誘致しても急性期病院になる可能性は極めて低い。
姫路南西部海岸線に急性期病院を残すための道は一つしかない。地域住民の強い要望と連帯がなければ実現は100%不可能です。
 新県立病院が稼働しても、県の強引なやり方と市の無能な対応に医療関係者の不信は深まるばかりなので、新県立病院は他病院からの連携もなく孤立する可能性がある。前回のブログで述べた「地域医療構想」は、姫路においては単なる作文に終わるかもしれない。
 
 更に重要なことは、新県立病院が稼働するまでの間、救急医療を確保できる見通しについて、市は極めて無責任な楽観しか持ち得ていないので、厳しい状況に変わりはないどころか崩壊の可能性もある。
 地域包括ケアシステムの整備においても、市による積極的な取り組みは無い。
 
  • の駐車場の問題は、新県立病院が文化・交流施設と併設でキャスティ21イベントゾーンに決定するのならば、隣接する土地を買収して駐車場に充てることが望ましい。


 
posted by: 応援しよう東北!(雑華堂) 小嶋隆義 | 地域リーダーの会 | 12:26 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |